自然素材を使い、昔のおもちゃ作りを体験する参加者たち=20日、天城町で
【徳之島】環境省徳之島自然保護官事務所主催の「昔の遊びを知ろう~自然素材を利用したおもちゃ作り~」が20日、天城町役場ユイの里ホールであった。家族連れなど約40人が参加。島の先輩らを講師にアダンやソテツ葉などの自然素材(植物)を使った昔のおもちゃづくりを体験し、島の自然の豊かさも再認識した。
自然保護ふれあい活動などを兼ねて年1、2回開いている環境省の「奄美自然ふれあい行事」。同徳之島事務所の渡邉春隆自然保護官はあいさつで「世界自然遺産登録の加速化に(徳之島)事務所が置かれたが、主役は自然だけでなく人々や文化も匹敵すると思う。昔は自然と密接に結びつき遊びも自然から得ていた。昔の生活も学んで欲しい」とアピールした。
この日の講師には▽協力団体・NPO法人徳之島虹の会の行山武久理事長(71)=徳之島町母間=をはじめ、▽木場吉久さん(83)=同町轟木▽政岡良治さん(82)=同町花徳▽美延冶郷さん(59)=伊仙町伊仙=ら4人を招へいした。
参加者たちは、講師陣の手取り足取りの指導も受けながらソテツ葉の虫かごやアダン葉の風車、竹笛、竹の水鉄砲、ビロウ(クバ)の舟、赤く熟れたソテツの実を使った動物や笛づくりなどに挑戦した。そして、「ピー」と素朴な音色を響かせた竹笛や威勢の良い水鉄砲などに歓声を上げた。
長男一護=いちご=ちゃん(5)と参加した永田映里奈さん(40)=徳之島町亀津=は「ソテツ葉の虫かごなどが、身近な自然素材で作れて楽しい。子どもたちも含め今の世代はテレビやビデオ、ゲームなどを楽しむだけではなく、もっと自然にも親しむべきだと感じました」。講師の行山さんも「まずは今の若い親世代が習って親しみ、わが子らに伝承することも大切」と話した。