啓発イラスト入りトイレットペーパー

瀬戸内町は詐欺に対する注意喚起アイテムをトイレに設置した

さまざまな手口は水に流さないで!
瀬戸内町 「詐欺注意」で奄美初取り組み

 「覚えのないメールに返信しない」「お金を送ってはダメ!」――。市民を狙った振り込め詐欺や架空請求詐欺などの注意喚起に取り組む瀬戸内町は、公共施設のトイレに啓発イラスト入りトイレットペーパーを設置している。 横行する様々な手口が印刷されており、同町は〝必ず目にする〟工夫で住民被害の防止を図った。奄美群島の自治体で初めての試みだ。

 同町まちづくり観光課によると、取り組みは「消費者問題行政活性化支援」の一環。全国的に振り込め詐欺やうそ電話詐欺など「特殊詐欺」の被害増加を踏まえ、2010年度から注意啓発事業を実施し、これまでカレンダー配布などのキャンペーンを行った。

 今年度は視認効果をより高めるため、鹿児島市内などで採用された、啓発トイレットペーパー「STOP振り込め詐欺」の配布を決定。15年度事業で約8千ロール(予算約80万円)を用意し、観光施設「せとうち海の駅」ほか町内の公共施設や集落に提供している。

 イラストは、「架空請求詐欺」「融資保障金詐欺」「還付金詐欺」「オレオレ詐欺(訪問型編)」「同(携帯番号変更編)」の5パターン。狙う側のアプローチを分かりやすく図示している。

 同課は高齢者が狙われやすい詐欺行為に警鐘を鳴らし、「自分や家族を守るためにも、住民には自衛意識を持ってもらいたい」(担当者)と話し、設置効果に期待。実際に手にした同町古仁屋の女性(63)は「(トイレットペーパーの)印刷に少し驚いたが、じっくりと読めたので内容が理解できた」と話した。

 県警によると、県内の15年特殊詐欺被害額は約3億8千万円(認知数64件)。前年比で約1億円以上増加している。