大島、終盤の集中打で3季連続8強へ

160329大島・中村

【4回戦・大島―志布志】粘りの投球で試合を作った新元(上)と中村(下)=鴨池市民

當田がサイクル安打
春高校野球第10日

 【鹿児島】第138回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第10日は29日、鹿児島市の県立鴨池、鴨池市民、両球場で4回戦4試合があった。

 第3シード大島が志布志と対戦。コールド勝ちこそ逃したものの、終盤に集中打を浴びせ、15―4と快勝し、3季連続の8強入りを決めた。6番・當田陽太郎が本塁打、三塁打、二塁打、ヒットのサイクル安打を達成した。

 第11日は30日、県立球場で準々決勝2試合がある。大島の準々決勝は31日、第2試合で加治木と対戦する。

 【評】大島は二回、8番・國分の右前適時打で2点を先制。更に9番・新元、1番・武田の連続二塁打で更に2点を加え、4点を先取。三回には6番・當田の2ランで加点し、序盤で主導権を握った。八回には1番・武田の右中間三塁打と犠飛で2点を加えた。その裏1点を返され、コールドはできなかったが、九回に6安打を集中し、5点をダメ押した。6番・當田が中越え三塁打を放ち、サイクル安打を達成した。

「貴重な経験」積む
大島 控え投手で試合を作る

 大島は、當田のサイクル安打に象徴される19安打15得点で打ち勝った。同時に背番号10の新元一基、11の中村誠人、2人の控え投手で八回まで試合を作り「貴重な経験」(渡邉恵尋監督)が積めた一戦だった。

 負けたら終わりのトーナメント戦で、エースを先発させないのは危険な賭けでもある。一方で、長いトーナメント戦を勝ち抜くために、エース以外の投手の経験値も上げておきたい。2年前、南日本招待野球で横浜(神奈川)と対戦した際、渡辺元智監督から学んだ。群雄割拠の神奈川を8試合勝ち抜いて甲子園に行くためには、2、3番手投手の育成がカギになってくるという。

 3回戦の曽於戦で勝った夜、新元はこの日の先発を告げられた。公式戦初先発でいきなりヒットを打たれ、バント処理では「足が動かなかった」と転んだ。二回は3連続四死球で満塁と自らピンチを招いた。それでも併殺で切り抜けるなど、大量失点することなく五回までを2失点で抑えた。持っている力を10とすれば「3程度しか出せなかった」と反省しきりだが「ストライクにしっかり投げられれば、そう打たれない」ことは学習できた。

 四回にリリーフを告げられて「緊張した」と2年生左腕・中村。「腕を思い切り振って、低めに投げること」しか考えられず、無我夢中だったが、六回から八回までの3イニングを1失点で切り抜けた。

 今大会の決勝、夏の甲子園を本気で目指すためにも、「通らなければならない道」(渡邉監督)と覚悟を決めた2人の起用だった。再三のピンチはありながら、打線の力にも助けられ、何より大事な白星を手にすることができた。

「ホームランが一番うれしかった」
サイクル安打の大島・當田陽太郎

 「(サイクル安打は)意識せず、いつも通りのスイングをすることを心掛けた」。

 九回の打席はそう考えていた。

 「暴走になってもいいから、抜けたら三塁まで走れ!」。

 1球目を空振りしてから、有馬壱成が渡邉恵尋監督の伝令を伝える。カウント2ボール2ストライクから強振した打球は、追いかける右翼手と中堅手の頭上を越えた。「足は遅いけど、思い切って走った」(當田)。サイクル安打で最も難しいとされる三塁打で、大記録を完成させた。

 初球から果敢に打っていく積極打法が功を奏した。最も甘いボールがくる確率が高いとされる「ファーストストライクを見逃すと悔しい」。1打席目の右越え二塁打、2打席目の右越え2ラン、3打席目の中前打、いずれもファーストストライクを迷わずフルスイングで打てた。

 その中でもやはり「ホームランが一番うれしかった」。初球の内角低めのカーブを大きな放物線で右翼席に運んだ。秋までは背番号13で左の代打要員だったが、冬場の練習で徹底して振り込んだ努力が認められ、背番号3のレギュラーをつかんだ。今大会は3試合で11打数8安打と好調を続けている。「エースの渡を終盤まで温存して勝つことができたし、これからまだまだ上げていけると思う」と静かに闘志を燃やしていた。
(政純一郎)

160329大島6点目
【4回戦・大島―志布志】3回表大島二死二塁、2ランを放った6番・當田=鴨池市民