身近な海の生態学ぶ

海辺で発見したナマコを触る参加者

親子など参加 大浜海浜公園で
サンゴ礁の生き物観察会

鹿児島大学と奄美市教委は17日、奄美市名瀬の大浜海浜公園で奄美の生物多様性観察会を開いた。親子連れなど約50人が参加。サンゴ礁の生き物を見たり触ったりして、身近な海に生息する生物の生態に理解を深めた。

講師は鹿児島大学助教の上野大輔さんと特任助教の藤井琢磨さんが担当した。観察会を前に藤井さんによる座学では、サンゴについて解説。サンゴは硬い骨をつくる刺胞動物で、植物プランクトンが共生することで海中で光合成を行うことや、台風襲来が例年より遅れたことで、同公園の海岸周辺に生息するサンゴに白化がみられたことなどを紹介した。

観察会では海岸の波打ち際近くで、海中メガネや網などを使って生き物を観察。様々な種類のウニやヒトデ、ナマコ、貝などを発見し、実際に手に取って感触を確認する姿も。上野さんはカニの仲間・モクズショイやマツカサウニなど、同海岸に生息する生物の特徴などを説明し、「奄美の海は専門家でも名前の分からない生物がいる。身近な海の生き物を探してほしい」と呼びかけた。

小宿小4年の石川蒼一郎君(9)は、「岩陰とかに隠れていたウニやナマコをたくさん見つけることができた。思っていたよりも多くの種類がいて、大浜の海はすごいと思った」と話した。