障がい者も働きやすい環境へ

奄美病院デイケアセンター会議室で行われた2016年度あまみ障害者就業・生活支援センター連絡調整会議と第1回大島障害者就労支援ネットワーク会議

連絡調整・ネットワーク会議
ステップアップ雇用制度 無理なく就労可能性
開示の方が定着にも

2016年度あまみ障害者就業・生活支援センター連絡調整会議と第1回大島障害者就労支援ネットワーク会議が30日、奄美市名瀬の奄美病院デイケアセンター会議室であった。障がい者の就職支援に関して、16年度の相談・支援件数や就職状況などを報告。障がいのある人がより就職しやすく、働きやすい環境にするため、体験発表や質疑応答を交えながら意見を交わした。

両会議には、相談支援業者や福祉サービス業者、行政・教育・雇用機関などの代表者が参加。あまみ障害者就業・生活支援センターの向井扶美所長は「障がいのある人には、その人なりにできる仕事があり、がんばっている。年間でも30人くらいはセンターを通じて就職している。今後のためにも、ぜひみなさんには率直な意見を聞かせてほしい」と語った。

同センター連絡調整会議では、15年度事業や16年度支援実施状況などを報告。16年度8月末現在の相談・支援件数は計2223件で、最も多かったのは就職に関する相談(1332件)、次いで職場定着に関する相談(488件)だった。就職に関する支援状況は、就職が計21件、職場実習のあっせんが15件。障がい別の就職は、身体が5人(清掃、事務関係、その他)、知的が11人(清掃、リネン、商品整理・管理、その他)、精神が4人(調理補助、その他)その他1件となっている。

続いて行われたネットワーク会議では、名瀬公共職業安定所が最近の雇用失業情勢などについて説明。その後、障害者支援施設「愛の浜園」の榮野和光施設長による障がい者雇用事業所体験発表もあった。また、このほか、参加事業所による自己紹介では、実際に障がい者を受け入れている企業などからの質問もあった。

障がい者の受け入れに当たり、向井所長は「徐々に勤務時間を延ばすなどのステップアップ雇用制度の方が、本人も受け入れる会社も無理なく就労できるのでは」と紹介。また、パソコンが得意など、「どのような能力の人材がいるのかを知りたい」という意見もあり、同センターや能力開発校などの職員からは「職場が求める人材について要望してもらえたら、紹介が出来るはず」などと話す場面もあった。

質疑応答では、「就職先や同僚など、障がいをどこまでオープンにするべきか」という質問も。特に精神障がいなどは本人の意向でクローズにすることも多いという。一方で、同センター職員からは、「特に精神障がいの場合はクローズにしていると辞職してしまうことも多い。できればオープンでいた方が良いと思うので、本人や家族などと話し合うこともある」などと説明した。