本庁舎新築工事の安全祈願

奄美市の新たな名瀬本庁舎(イメージ図・右側が本庁舎、左側が立体駐車場)

朝山市長ら出席のもと行われた本庁舎新築工事の安全祈願祭

免震構造採用 優れた防災機能
奄美市、2年後の完成見込む

老朽化などに伴う名瀬本庁舎の新築工事計画を進めている奄美市は28日、同建設予定地(現庁舎北側)で安全祈願祭を開いた。式では朝山毅市長らが玉串をささげ、工事の安全を祈願。自治体庁舎として県内で2例目、群島内では初の免震構造を採用。地震災害など防災機能に優れ、さらに市民にとって使いやすく、〝奄美らしさ〟を追求した新庁舎の完成に向けて、出席した関係者から期待の声が上がった。新庁舎完成は2年後の2018年12月を見込む。

新庁舎は鉄筋コンクリート造り9階建て。建築面積は2263平方㍍。1階は浸水害等による市民サービスの停止など考慮し、駐車場に。2~4階の低層部は利便性に配慮し、市民サービス部門と執行部を配置。5階は大会議室と情報センター、6階は教育委員会、7・8階は議会フロア、9階は倉庫・設備フロアとする計画。総事業費は59億円を見込んでおり、合併特例債を活用し、うち約39億円が交付税として算出している。

安全祈願祭には市幹部職員や議員、工事関係者ら約100人が出席。朝山毅市長は「これからも50年、100年と続く奄美市の歴史の中で、その拠点を担う名瀬まちのシンボルとして防災機能も備え、自然環境にも配慮した市民の拠り所となる施設。2年間は仮庁舎への配置など事務機能が分散し、市民のみなさんには不便をかけるが、どうか将来を見据え、奄美の郡都にふさわしい新庁舎の整備にあたりご理解とご協力を」などとあいさつした。

1967年に建設された現在の名瀬本庁舎は約半世紀が経過して老朽化が進んでいるほか、10年の奄美豪雨などが教訓となり、同市では戸籍など市民の大切な記録を保管する施設として庁舎機能の重要性を再認識、14年には笠利・住用両総合支所を先行し整備した。新たに建設される名瀬本庁舎は19年2月からの使用開始を予定。その後、既存庁舎は解体され、立体駐車場・広場建設が行われる。グランドオープンは20年3月を見込んでいる。