伊仙町内の全小・中学校(11校)に門松飾りを手作りして贈っている幸山忠重さん=28日、伊仙町
子どもたちが健やかな新年を…
幸山忠重さん(伊仙町)
【徳之島】「子どもたちが健やかに新年を迎えて欲しい」―。伊仙町内の全小・中学校(計11校)に毎年暮れ、孟宗竹を使った本格的な門松=かどまつ=飾りを手作りして贈り続けている人がいる。4年目の今年はひざの治療で入院中だが、外出許可を取って、長男のサポートで熱心に全校門を巡り、飾り付けを見届けた。
門松(松飾りや飾り松、立て松)は、年神を家に迎え入れるための依り代という意味合いがあるともされる。飾り方は全国各地、島内でも違いがある。
伊仙町の児童生徒らへの学校門松の〝あしながおじさん〟は同町目手久の農業法人役員の幸山忠重さん(85)だった。動機には、茶目っ気をのぞかせつつ「学校のおかげ様で、本も読めて、字も書けるようになった」。贈り続けたおかげで、「ひ孫たちが野球の県大会で優勝して九州大会に出場し、来年の全国大会出場を決めるなどいいことづくめです」と〝ご利益〟にえびす顔。
材料の孟宗竹(直径12㌢前後)は、今年もコンテナ1個分を鹿児島からフェリーで取り寄せ、松の木などは地元で調達した。今年は、入院中の父忠重さんに代わって長男佳津也さん(61)が中心になり、数人がかりで丸2日間を費やして1校当たり2個(対)ずつを制作。そして忠重さんは佳津也さんの心配をよそに、28日朝から全11校の校門に飾り付けに同行して満足気だった。