中野長子さんの作品「悠久」
大牟禮史朗さんの作品「聖母への思い」
南隆光さんの作品「行書軸 王鐸」
「第37回奄美市美術展覧会(2017AMAMI市美展)の作品審査が25日に開かれ、一般の各部門で最優秀作品に当たる市美展賞が決まった。美術部門は奄美市の中野長子さん(72)、写真部門は鹿屋市の大牟禮史朗さん(63)、書道部門は奄美市の南隆光さん(75)の作品が選出された。来月4~12日まで、奄美文化センター=同市名瀬=で展示が行われ、初日に表彰式がある。
市美展賞、美術部門は、中野さんの「悠久」が受賞。作品について、審査員は「明るく生き生きとした樹木の生命力を感じる。前作と同じ樹木をテーマに、新たな試みを丹念な書き込みで表現している」と評価する。一昨年に続く同賞の受賞。中野さんは「神秘的な部分を表現しようと紫色を加えて描いた。季節、時間などによってガジュマルから感じる気持ちが違う。島をガジュマルで表現してみたい」と今後の作品への意欲を語った。
老いた女性を被写体にした作品「聖母への思い」。大牟禮さんは鹿屋市の在住で昨年に続く応募。モデルは自身の母親。審査員からは「深く刻まれたしわ一本一本に、今日まで健気に生き抜いてきた人生が垣間見える。見る人がその背景をイメージすることができる内容的な深さがある」と評価を受けた。趣味で撮り続け、人などを被写体に生活感があるような作品が多いという大牟禮さんは「自分の思い通りに撮れた作品で受賞をうれしく思う。奄美には知人が何人かいる。次は奄美の人を撮ってみたい」と話した。
書道部門は、タイトル「行書軸 王鐸」で南さんが受賞した。「私自身びっくりして、信じられず何度か確認した」と語る南さん。昨年に続く応募での最高賞獲得だった。審査員から「3行の行それぞれの墨の使い方、潤筆と渇筆が美しい。文字の大小、長短などの変化にともなう白の美しさ、生かし方が巧み」と賞賛を受けた。南さんは「まだまだ思うように書けていない。納得のいく文字が書けるように、日々精進したい」と話した。
一般、小学生、中学生の全3部門の出品数は1583点(1474人)で、小中学生を除く一般からは美術87点、写真126点、書道60点が集まった。(入賞・入選者名と作品は後日掲載)、期間中の作品展示は午前10時~午後6時まで(最終日は午後5時)。