単収格差の背景も協議した徳之島さとうきび生産対策本部・運営企画委員会=25日、伊仙町
【徳之島】徳之島さとうきび生産対策本部の運営企画委員会は25日、伊仙町農業支援センター(旧徳之島農高)であった。6年ぶり22万㌧台「豊作」の2016/17期生産実績に、「サトウキビのさらなる余力を引き出す可能性を秘めた水の重要性」を再認識。顕著化した平均単収の町間格差には、土づくりや栽培管理への注力度で意見も。「徳之島さとうきび生産振興大会・製糖終了感謝デー」は5月28日、伊仙町総合体育館で開く。
関係機関・団体の代表ら約30人が出席。報告によると、16/17年期生産実績(小型工場処理分含む)は22万2539㌧(10㌃平均単収6・204㌧)、前期比5万3344㌧(31・5%)増産となった。町別内訳は▽徳之島町6万7173㌧(平均単収5・781㌧)▽天城町8万5191㌧(6・989㌧)▽伊仙町7万175㌧(5・819㌧)。
気象条件に恵まれ期待通りの豊作、高単収ではあるが、過去の26万㌧台などに比べ「気象条件が非常に良かったとは言えない」(南西糖業)。ほか、システムの改善で効率的な受け入れ業務の遂行が可能になったが、「農家の申請やハーベスター(機械収穫)側からの進捗報告の精度向上は課題」。糖度上昇は振るわず最終で平均13・87度(前期比0・16度減)。だが、農家手取りは1㌧当たり2万2390円(343円増)となった。
気象的な生育環境に関し、県農業開発総合センター徳之島支場の担当者は、10日間の干ばつ影響のストレスなど「理想的な状態とはいえなかった」。単収が無かん水区で約8㌧、かん水区で約10㌧の試験結果から「かん水(実施)では26万㌧も夢ではない」。徳之島ダム用水の活用など、「水の重要性を再認識させられた」との意見も。
単収格差の一因で、天城町側は「堆肥による土づくりにもっと力を入れるべき。キビは根の作物と言われる。ほとんどの農家が(ハーベスター収穫ほ場は)サブソイラーで30~40㌢の深耕作業を実施。農家の努力と試験場(農開総合センター)の指導が後押ししている」とも強調した。
ほかメリクローン苗・一芽苗出荷実績やきび増産事業実績の報告、製糖終了感謝デー日程なども協議した。