国立公園指定で希少種研修

沢登良馬自然保護官を講師に招き国立公園指定に伴う希少動植物研修会=31日、徳之島署

盗掘・盗採防止に連携へ
徳之島署 環境省自然保護官が講師

【徳之島】徳之島署は31日、環境省徳之島自然保護官事務所の沢登良馬自然保護官(26)を講師に、奄美群島国立公園指定に伴う署内「希少動植物研修会」を開いた。世界的に貴重な生物多様性の価値を再認識し、盗掘・盗採から守り後世に伝えていくための情報共有と連携も確認した。

保護指定の希少動植物に関する知識を習得させ、盗掘・盗採事案の発生時に同自然保護官事務所と連携、迅速・的確な対応を図るのが目的。有村和行署長をはじめ署員26人が受講した。

沢登自然保護官は環境文化型で「生命(いのち)にぎわう亜熱帯のシマ~森と海と島人(しまっちゅ)の暮らし~」をテーマにした群島国立公園の概要、希少動植物種なども画像を交え解説。保護関連法令・条例では、自然公園法、種の保存法、文化財保護法(天然記念物)、県希少種保護条例、徳之島3町希少種保護条例―などを「照らし合わせたパトロールと情報の共有、連携」の大切さも強調。

国立公園区域設定の考え方の中では、「ハブ捕獲」は第1種~第3種特別地域などは従来通り可能だが、特別保護区(核心部、厳正保護)内については「ハブも含め一つの生態系」。同捕獲はもちろん、石ころ一つの採取も禁止されている点もあらためて例示。

その上で「希少種に関する学習の場、住民への普及啓発、自然保護気運の醸成、定期的なパトロール、密な連携と情報共有」。3町・警察・住民・国が一体となった「盗掘・盗採の防止、早急な摘発」の大切さも強調。質疑の既栽培物への対処には「条例制定前から育てているものか。出所など経緯を聴くことが大事」。「販売目的の盗掘・盗採には特に目を光らせる必要が」と連携を求めた。