流入土砂など除去追われる

大雨が降った5日から一夜明け、土砂や枝木など流入物の清掃作業に取り組む住民ら

1時間雨量120㍉超の瀬戸内町
住民生活に影響 家屋被害も多数

台風5号の接近通過から一夜明けた6日、大量の降雨で道路などに流入した枝木や土砂を、清掃する人たちの姿が奄美大島各地で見られた。解析雨量が1時間に120㍉を超えるなど瀬戸内町でも猛烈な雨が降った。同地域と島内北中部を結ぶ国道58号線などの主要道路沿い、市街地や集落内にも流れ込み、住民らが朝から除去作業に追われた。

5日、同町古仁屋の午前8時までの1時間雨量は83・5㍉を観測。また、奄美市などでも短時間に記録的な大雨が降り、奄美大島と喜界島で「50年に1度の大雨になっている」との発表も出された。

古仁屋の同日の24時間雨量は384㍉を観測。大量の降雨により、同町内を通る主要道路には、近隣の山から土砂や木の枝などが大量に流入。市街地、集落にも流れ込み、床上・床下浸水などの家屋被害も多数出た。

「20年くらい前の土砂災害を思い出した」。蘇刈集落に住む女性は、後片づけする手を休めて語った。今回の台風の接近に伴い、崩土によって道路が通行止めとなり、一時同集落は孤立する状態に。「周囲に流入する水もだが、満潮時間が近づいてくると不安の気持ちが大きくなった」。

玄関前には、土のうを並べるなど、家屋内への侵入に備えた。水は床下まで流入したが「(20年くらい前の時は)土砂が家の中まで入り込む被害だった。それに比べたらまだ良かった」と話していた。