与論町 マルコ、マルコデータと立地協定

握手を交わす(左から)山町長、町田取締役、小板橋社長、立会人の五田次長=与論町(同町提供)=

ホロホロ鳥の加工場建設
農家の収入アップ・雇用創出期待

 【沖永良部】与論町は24日、中部日本マルコ(株)と日本マルコデータ(株)の2社と立地協定を結んだ。今後、中部日本マルコが町内に建設を予定しているホロホロ鳥の食肉加工場を、日本マルコデータが活用し事業展開を図る。山元宗町長は「ホロホロ鳥は質感も柔らかく大変おいしい。島内外のホテルやレストランで食べられるようになり、特産品の少ない与論島の新しい産業として農家の収入アップにつなげたい」と期待を寄せた。

 電子部品の製造販売を行う日本マルコデータ(2007年設立)は、13年に愛知県小牧市から与論町に本社を移転。新たな地場産業の確立や島内の定年退職者の雇用創出を目的に、ホロホロ鳥の養鶏事業に取り組んできた。同事業においては、人工ふ化技術の向上や種鳥飼育方法の確立で500羽の種鶏飼育に成功し、現在はヒナ鳥約700羽を飼育している。

 新設される加工場は、中部日本マルコ(所在地・愛知県、事業内容・電子機器などの製造)が出資。投資予定額は約4900万円。建設場所は同町茶花にある日本マルコデータの近隣の土地(用地面積約979平方㍍)で建物面積は約186平方㍍、来年1月の操業予定。初年度は新規雇用者7人と売上約2300万円を目指す。町が土地を貸し出し、蒸発散施設の設置を行う。

 この日は、山町長、中部日本マルコの小板橋幹尚社長、日本マルコデータの町田数成取締役、立会人として県商工労働水産部の五田嘉博次長の4人が、同町防災センター会議室で開かれた協定式に臨んだ。小板橋社長は「ホロホロ鳥の飼育は難しいが、島のハーブで育てるなど地域性を生かしてチャレンジすることでより高い付加価値をつけられる。高齢者でもできる軽作業も含め、島内の雇用確保に努めたい」と語った。

 ホロホロ鳥は、アフリカ原産の鳥。主にフランスや西インド諸島で飼育され、高級食材としてフランス料理などで用いられている。