奄美・やんばる広域圏交流協総会

奄美群島と沖縄北部の首長らが参加した「奄美・やんばる広域圏交流推進協議会総会」=和泊町=

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「奄美・やんばるの資源としての生物多様性」をテーマに講演した琉球大学理事・副学長の西田睦氏

「ネットワーク型の博物館」提案
琉大理事・副学長 西田氏
和泊町

 【沖永良部】2017年度奄美・やんばる広域圏交流推進協議会総会が29日、和泊町防災拠点施設やすらぎ館であった。奄美群島12市町村と沖縄県北部12市町村の首長ら約80人が参加。琉球大学理事・副学長の西田睦氏が「奄美・やんばるの資源としての生物多様性」をテーマに講演し、島しょ環境を生かした「ネットワーク型の自然史博物館の設置」を提案した。

 歴史的・地理的につながりの深い奄美群島と沖縄北部の交流促進を目的に開催。1999年から今年で19回目。

 同協議会会長で奄美群島広域事務組合の朝山毅管理者(奄美市長)は「文化や歴史、自然におけるお互いの価値観を共有しながら地域の発展に結びつけていきたい」。協議会副会長で北部広域市町村圏事務組合の稲嶺進理事長(名護市長)は「協議会を通して、奄美とやんばるの歴史的関係を若い人たちに継承していくことが大事だ」とあいさつ。

 議事では、昨年度同協議会収支決算や今年度事業計画など5議題を承認。今年度の広域交流促進事業として「ヨロン・おきなわ音楽交流会」(12月開催・与論町)、新規事業の「北部広域圏高校生等奄美交流促進事業」(今年度中の開催・奄美広域)を計画。産業振興事業として「『やんばるの産業まつり』特産品販売及び観光PR」(10月開催・名護市)を予定している。

 役員改選が行われ、新会長に同協議会副会長の稲嶺氏が就任。副会長に朝山氏が選ばれた。監事は宮城弘和氏(北部広域市町村圏事務組合幹事長)と山下能久氏(奄美群島広域事務組合幹事長)の2人。

 総会後の講演で、西田氏は「琉球列島の生物多様性は素晴らしい資源であり、その資源を賢く活用してほしい」と提言し、総合的に資源を生かす一つの方法として「島しょ環境を生かして複数の地域に拠点施設を設ける『ネットワーク型』の国立自然史博物館を設置したい」と述べた。