サトウキビほ場の土壌断面を観察した現地研修会(奄美市笠利町節田)
特性考えた対策学ぶ
ほ場の土壌、防風樹現地見学
奄美特有の土壌や気象を踏まえた農業対策について学ぶ「奄美大島土づくりおよび防風対策研修会」が18日、奄美市笠利町内であった。参加した同島内の就農家など農業関係者は、サトウキビほ場の土壌や台風に備えた果樹園の防風樹の植栽を見学。環境の特性を考慮した効果的な対策を考えた。
県大島支庁、大島地区農業青年クラブ連絡協議会、奄美群島農政推進協議会の主催。この日は主催団体のメンバーや島内の自治体、農業団体など約50人が参加した。
土づくり研修は同町節田集落のほ場で実施。機械作業による耕盤層形成の例として、プラソイラーによる耕土破砕後、地中1㍍掘り下げ。土壌断面の観察、器具による硬度測定を行った。
県大島支庁農政普及課によると、島内では粘土質土壌であることに加え、降水量が多いため排水対策を強調。同課担当者は生産性向上のため土壌改善の必要性を説明すると、参加者は真剣な表情で聞き入った。
また同町和野の西田農園では観葉植物「ユッカ」を植栽した、タンカン園での台風対策の実践例を確認。経営者が自然の防風林と並行し、イヌマキなどを複数組み合わせた工夫について語った。
そのほか、同市笠利総合支所で沖縄県農業研究センターの玉城麿主任研究員による講演「園芸施設の台風被害とその対策」もあった。
龍郷ファーマーズクラブの飯田圭太郎会長は「(現地研修会は)実践的に学べ、農家にとって意義は大きい。地域事情を考慮した農産体制がしっかり築けるよう、取り組みたい」と話した。