講談師・神田山緑が講演

西郷隆盛の生い立ちをいきいきと読む神田さん

西郷隆盛を名調子で堪能

生い立ちを描く

講談師・神田山緑さんが名調子を聴かせる奄美大島紬講談プロジェクト「講談師・神田山緑講談会」(㈱モルフィング主催)が26日、龍郷町のりゅうがく館で開かれた。神田さんの奄美公演は今回が初めてで、この日集まった講談ファンら約70人は、神田さんの表情豊かで抑揚のきいた語りに耳を傾けた。

拍手で神田さんが迎えられると、まずは講談についての講釈が始まった。張り扇や手ぬぐいを使った「見立て」や「合いの手」など、講談の見所や醍醐味を紹介。今回は奄美にちなんだ「西郷南洲」が演目で、日本近代史の第一人者、西郷隆盛の生い立ちを描いた。

「ぱぱん、ぱぱん」と張り扇で台を打ち鳴らし、「西郷隆盛で一席お付き合い願います」と神田さんが声をあげると、参加者らは講談師の七五調の読み声に固唾を飲んで聴き入った。すらりと伸びた背筋に、切れのある鮮やかな口調に参加者らは魅了。話を終えると大きな拍手が送られた。

初めて講談を聴いたという前島隆照さんは、「講談を奄美で聴く機会が今までなかったのでとてもいい経験になった。話すだけでも大変な内容を、リズムよく声も通り迫力があった」と笑顔で話した。

神田さんは現在、大島紬をテーマにした講談を構想中で、真打昇進前の来年2月ごろに、奄美でのお披露目を検討しているという。