鹿児島―徳之島 Jエアージェット就航

鹿児島間の定期航空路線に就航したJ―AIRのジェット機「エンブラエル170」=29日、徳之島空港(同社提供)

客室空間ゆったり

所要時間短縮 快適性高める

【徳之島】日本航空(JAL)グループのジェイエア(J―AIR、本社・大阪府池田市空港、大貫哲也代表取締役社長)は29日から、鹿児島―徳之島空港間の定期航空路線にリージョナルジェット機「エンブラエル170」(76席)を導入した。日本エアコミューター(JAC)のプロペラ機(ボンバルディアDHC8―Q400、74席)に比べ所要時間を約5分間短縮。客室もゆったりスペースを確保するなど快適性を高めた。

J―AIRのジェット機「エンブラエル170」は、ジェットに匹敵する速度(気流の関係で鹿児島間の下り約70分、上り約65分間)とされるプロペラ機「Q400」の所要時間をそれぞれ約5分間短縮。積乱雲などよりも高高度での飛行ができるためより快適なフライトを実現した。

胴体は、円形を二つ重ね合わせた「ダブルバブル構造」を採用。リージョナルジェット機(一般的に100席未満規模)でありながら、足元のスペースや座面(本革製)は国内線の大型機と変わらない最大級の客室空間を実現しているのも特長。

フライバイワイヤ(電気信号による操縦制御)や高性能エンジン、空地データ通信などの最新鋭システムを採用。搭乗客自身のスマートフォンやタブレットなど端末で、バラエティやアニメ、スポーツなどの映像コンテンツも無料で楽しめるという。

当面は鹿児島線計4便(往復8便)のうち第3便を除く計3便(同6便)で変更導入。全便変更は来年3月以降を検討中。29日に計画した初便セレモニーは台風22号の影響で中止した。

同社は「今後もJALグループ全体で利便性の高い路線ネットワークを構築し、世界自然遺産登録を目指す徳之島や奄美大島をはじめ、ますます魅力が高まる奄美群島全体の活性化に貢献したい」などと強調している。

徳之島空港は1980(昭和55)年6月に滑走路長2000㍍が完成し翌7月13日、県内離島初のジェット化が実現。その後、観光入域客数の減少にも伴い利用率が低迷。2010(平成22)年4月から鹿児島間の4便(往復計8便)にプロペラ機(DHC8-Q400)が充てられてきた。