消防団員減少歯止めへ

会場には県本土・奄美から21団体が参加し話し合いが行われた

大島地区加入促進セミナー

 

意見交換し活性化策

 

 県危機管理局消防保安課は25日、大島地区の「消防団員加入促進等セミナー」を奄美市名瀬の県立奄美図書館第1研修室で行った。会場には県本土・奄美から21団体約80人が参加し、住民らが担い手となる消防団員の減少傾向の歯止めに向けて意見を交換し活性化策を話し合った。

 同セミナーは、26日までの2日間の日程で、若年層の消防団への加入促進や、消防団活動への理解を通じた意識の醸成を目的に行われた。会場には、奄美群島各地域の消防団をはじめ、学生や女性による消防団、そのほか奄美看護福祉専門学校の学生8名も参加し行われた。

 会の冒頭、大島地区消防組合・荒田省三警防課長が、消防職員と団員の連携の重要性を説き、ゲスト講師による講話が始まった。

 NPO法人すみようヤムラランド・満田英和理事長は、当時住用総合支所地域総務課長として対応した奄美豪雨災害の体験を元に、初動対応や医療施設の確保、備蓄などの大切さを訴えた。

 続くNPO法人ディ・麓憲吾代表理事は、リスナーから寄せられた一通のメールから災害放送が始った経緯、行政機関や各ラジオ局を巻き込んだ当時の様子を、メディアとしての役割や思いを交えながら伝えた。

 この後、新たな担い手として活躍が期待される女性や学生の消防団から子どもへの防災普及や啓もう支援などの活動報告が行われ、会は意見交換へと移った。

 意見交換では、霧島市やいちき串木野市などの消防団が取り組み中の事案が紹介され、活動実施に向けたヒントを探った。この他、出前講座やPR活動への積極的な取り組みなど意見が出され、この日のセミナーは終了した。

 荒田警防課長は「学生や女性の活動には対応範囲など課題はあるが、消防団員の加入促進に向けしっかり取り組みたい」と締め括った。

 なお26日は、住用町で講話や視察、笠利町で水上バイク隊による救助実演などが行われる。