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学校給食で「徳之島〝生まれ〟黒毛和牛」サイコロステーキに舌鼓=29日、徳之島町亀徳小

学校給食に「徳之島〝生まれ〟の黒毛和牛」

 

徳之島町

 

 【徳之島】徳之島町はふるさと納税活用事業「徳之島〝生まれ〟ブランド牛推進事業」で29日、町内全小・中学校の給食に「徳之島〝生まれ〟の黒毛和牛」を提供した。うち亀徳小(若松新一郎校長、142人)ではその子牛を生産した町内の畜産農家、県内本土の肥育業者、福井県内の黒毛和種ブランド精肉販売業者たちの出前授業と試食交流も。高級ブランド牛肉の元を生産する島の畜産業に理解を求めた。

 全国有数の肉用子牛の生産地の徳之島。だが生後9カ月で島外の肥育業者に販売出荷されて約2年間肥育後、各地の高級ブランド牛として販売されるため、「島内での流通も少なく、地元では身近に感じられないのが現状」(同町)。肥育・販売業者の協力もあり、食育や地産地消の観点からも町内小中の児童生徒・職員らの学校給食約1300食分にサイコロステーキを提供することになった。

 亀徳小体育館での出前授業講師を務めたのは、▽祖父福岡宮助さん(73)、父克郎さん(51)=亀津=と3代で子牛生産を営む福岡佑希さん(29)=亀徳▽肥育業「㈲のざき」の末吉寛章統括キャプテン=薩摩川内市▽販売業者「㈲ミートショップ」高島清次郎代表取締役=福井県=の3人。

 福岡さんは、祖父の繁殖牛1頭が約40年かけて飼養頭数70頭台に至った経緯を交え「将来は100頭まで増やしたい。お肉が店で売られ料理するまでにはいろんな人たちが加わり、たくさんの命が吹き込まれている。好き嫌いをせずに、感謝の気持ちを忘れずに食べて元気になって、それぞれの夢を叶えて」。肥育・販売業の両氏は肥育出荷牛の体重(800㌔~900㌔)、体重1㌔増に要する飼料約10㌔などクイズも交え「感謝の気持ちを頭において食べて欲しい」とアピール。

 給食では福岡結愛ちゃん(2年生)を交え親子4代での試食会も実現。稲村龍輝君(5年生)は「牛を肥育するのに2年もかかって大変だと思った。肉は歯ごたえがあって軟らかく、とてもおいしかった」と話していた。

 同町ふるさと納税は今年度すでに2億円台を達成。希望返礼品の約35%を同「徳之島〝生まれ〟の黒毛和牛」が占めているという。