マングース防除事業検討会

マングース防除事業検討会

奄美大島フイリマングース防除事業検討会が大島支庁で行われた

思勝・三太郎エリアモニタリング区域に移行

 2017年度「奄美大島フイリマングース防除事業検討会」(座長・石井信夫東京女子大学現代教養学部教授)が24日、奄美市名瀬の県大島支庁4階大会議室で行われた。17年12月末までのマングースの捕獲数はわなによる9頭。捕獲効率を表すCPUE(捕獲数/1000わな日)は、前年比同時期の約50%減となる0・005頭と過去最低値となった。

 17年度の防除作業は第2期奄美大島におけるマングース防除計画の5年度目となり、秋名・屋入、本茶峠、戸口・鳩浜、金作原、和瀬の5区域をモニタリング区域に設定。思勝・三太郎、名音を重点区域、湯湾岳、篠川、宇検半島、山間、古仁屋の5区域を低密度化区域として作業を行っている。

 わなによる捕獲数は、カゴわな2頭、筒わな7頭の計9頭で、前年比21頭から約57%減少。捕獲数のうち3頭はピンポイントで捕獲された。

 同事業では現在、根絶確認・捕獲などを目的とした生体探索犬6頭と糞探索犬2頭を運用・育成し、17年12月末日までに各区域で計632ペアの探索作業を実施。モニタリング区域で6件のマングース反応、重点区域でマングース反応1件・糞3件を確認したが捕獲には至らなかった。

 18年度の計画では、思勝・三太郎エリアをモニタリング区域に移行するが、依然として残存可能性が残るため、引き続き根絶確認を目的に面的探索を実施。これまで探索犬捜索を十分に行っていない湯湾岳エリアを新たに重点区域に指定し、生息評価を進める。

 この他会議では、嶺山地区化学的防除野外試験の報告や同実施計画の見直し案が提出。見直し案では「マングース完全排除の確認について」が議題となり、全島レベルでの完全排除について意見が出された。

 検討委員会からは「どこかで区切りをつけるための合意形成が必要では」「100%いないという証明は困難だが、根絶宣言など社会へのメッセージは必要」など提言。10年計画としての大枠整理や今後の検討課題として確認した。