徳之島に凱旋合宿。人懐っこい気さくな性格も人気のWBC世界フライ級王者・比嘉大吾選手(左端)=28日、徳之島空港
【徳之島】「闘牛パワーの島」徳之島で昨年12月に初合宿。WBC世界フライ級タイトル戦(2月4日・沖縄県立武道館)でわずか1ラウンド2分32秒、日本記録タイの連続15回KOをも達成した同級王者・比嘉大吾選手(22)=白井・具志堅ジム=らが28日、同島に凱旋合宿入りした。日本新記録16回連続KOも懸けた4月の防衛戦に向け、クールに若い闘志を示した。
同フライ級世界王者の比嘉選手(沖縄県浦添市出身)は昨年12月11日―22日、徳之島・天城町で初合宿。2月4日のタイトル戦の1R、モイセス・フエンテス(30)=メキシコ、同級9位=を右ボディストレートでリングに沈め、プロ戦績15勝(15KO)0敗。次ぐ4月15日の防衛戦(横浜アリーナ)では、同級2位で同じ右ボクサーファイターのクリストファー・ロサレス(23)=ニカラグア=を相手に日本新の16回連続KOも目指す。
徳之島との縁は同ジムトレーナー野木丈司氏(57)の存在がある。同島合宿の常連だったシドニー五輪女子マラソン金の高橋尚子さんの元師匠・小出義雄監督は、野木氏を全国高校駅伝に導いた佐倉高校(千葉県)時代の恩師。ボクシング転身後の2009年2月、小出氏の勧めもあり、トレーナーとして当時WBC世界フライ級王者の内藤大助らを引率して初合宿。比嘉の凱旋合宿も誘導した。
同ジム一行は野木トレーナー、世界王者の比嘉、いずれも新人王に輝いた小田翔夢(19)、木村吉光(21)、大湾硫斗(19)選手ら含め5人。徳之島空港では森田弘光天城町副町長ら職員が「目指せ!16回連続KO日本新記録」など熱いエールを込めた横断幕を掲げて祝福・歓迎した。
比嘉選手はインタビューに「気候が良くて練習するにはぴったりの島。〝徳之島も沖縄〟と考えている。(合宿後の)防衛戦は1Rで終わるとは思ってなかった。〝闘牛パワー〟だったのでは?」と笑顔。次ぐ防衛戦には「(16回連続)KOができるよう、ここでしっかりトレーニングをして試合につなげる。特に、土台となる足を中心に鍛えて帰り、スパーリング中心の実戦練習で試合に臨みたい」。
野木トレーナーは「小出監督に、素晴らしく整備された環境を紹介されて09年から利用させていただいている。全身を強化して試合へのベースを作ることで、スイッチにもなる。日本新の16回連続KOをさせます」ときっぱり。
今回の合宿は7日まで予定している。