「フェリーとしま2」初お目見え

「フェリーとしま2」初お目見え

新造船「フェリーとしま2」が奄美に初入港した 

就航記念式典でテープカットした、肥後村長(左から3人目)

 

物流・観光交流高まり期待
佐大熊港で記念式典

 奄美大島とトカラ列島、県本土を結ぶ十島村営「フェリーとしま2」(1953㌧、全長93㍍、定員297人)が、4月2日から就航開始する。同村営フェリーとしては8代目となる新造船。奄美に初入港した20日は、奄美市名瀬の佐大熊港貨物船バースで就航記念式典が開かれ、同村や奄美大島の行政、観光関係者は物流や観光交流の高まりに期待感を示している。

 現行船の老朽化による18年ぶりの更新。建造費は約42・6億円。トン数で560㌧、定員で97人それぞれ増え、輸送能力がアップ。現行と同様、週2便と年間臨時15便の運航を計画しており、奄美ダイヤは名瀬港午前2時発。

 船内には授乳室やキッズルームの新設、トイレのバリアフリー化、エレベーター設置など家族連れや高齢者への配慮が盛り込まれ、乗船時の快適さを向上させた。

 同村によると2016年度運送実績は、運航109回、輸送人員2万1426人、同貨物1万7443㌧。奄美・沖縄地域の世界自然遺産登録(最短今夏)を前に、同村側は近年高まる奄美への入込の波及効果による、利用増を見込んでいる。

 肥後正司村長は「奄美との物流と交流人口が一層、高まることを願う」と述べ、利用促進に向けたPRに力を入れていく。

 同日行われた式典には、奄美大島島内の首長や行政、港湾関係者、十島村出身者など約100人が出席。白い真新しい船体を前に、関係者が安全航行を願いテープカットした後、船内見学会が行われた。

 朝山市長は「トカラ列島は戦前から奄美と交流を重ねてきた島々。新造船を契機とした交流促進に期待したい」と就航を喜んだ。