国営徳之島用水農業水利事業の完了で閉鎖した同事業所=3月31日、天城町天城
農地開発・ダム関連で31年
局舎は天城町活用へ
徳之島用水農業水利事務所
【徳之島】天城町天城に所在した農水省・九州農政局徳之島用水農業水利事業所は、国営徳之島用水農業水利事業(徳之島ダム)の完了に伴い3月31日付で閉鎖した。局舎(鉄骨造り平屋581平方㍍)は町が落札譲渡を受けており、農業振興を中心に町発展のために多目的活用していく方針だ。
九州農政局の同局舎はそもそも1987年(昭和62)2月、国営徳之島農地開発事業(85年度着手~2001年3月完了)の現地事業所として同町有地(5147・2平方㍍)に建設された。同農地開発事業と一部並行して97年度に事業着手後、17年度の「徳之島ダム」小水力発電システムの設置をもって事業完了した用水事業と合わせて31年間、両大型国営事業の現地推進の役割を担ってきた。
局舎は同町議会の予算承認を経て町当局が落札譲渡(約334万円)を受け、30日夕までに引き渡しを終えた。
最後の所長として3年間勤務、自らも定年退職した寺村伸一元所長(60)は「全国的にみても、これほど深いご理解をいただけた地域はなかった。感謝の気持ちでいっぱいです。先輩方からバトンを受けて、最後のタスキを掛けてゴールできたことは万感の思い。3年間はあっという間だった。とても良い所で退官させていたくことになった」と感慨深げ。
総事業約590億円を投じた農業水利事業(徳之島ダム関連)の効果発揮のため、「農家の皆さんはサトウキビや牧草、バレイショが主だと思うが、マンゴーやパッションフルーツなどいろんな品目にもチャレンジをしてほしい」とも語った。