作詞者ゆかりの場所でワイド節演奏

作詞者ゆかりの場所でワイド節演奏

作詞者ゆかりの奄美和光園でワイド節を披露

「ふるさと、奄美に帰る」展関連イベント
和光園・来場者楽しませる

 国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県合志市)の絵画クラブ金陽会の作品展(主催「ふるさと、奄美に帰る」実行委員会)の関連イベント「ワイド節演奏会」が3日、奄美市名瀬の国立療養所奄美和光園の多目的室あすなろで行われた。同園の職員が作詞したワイド節を、地元の三味線教室の協力で披露し来場者を楽しませた。

 菊池恵楓園にいて故郷に帰れず亡くなった金陽会メンバーの奄美大島出身者、大山清長さんと奥井喜美直さんの絵も里帰りして、3月から展覧会を開催。奄美和光園の展覧会には、2人の作品24点を含む54点が展示された。

 同クラブの絵の保存活動を続ける(一社)ヒューマンライツふくおかの藏座江美理事は、「先月の奄美文化センターの展覧会とは、数点作品を入れ替えている。作品を車いす利用者にも見てもらうため、低位置に展示した」と説明した。

 ワイド節演奏会は、奄美和光園のレントゲン技師だった中村民郎さんが、徳之島出身の入所者との会話からヒントを得て作詞されたことを受けて実施。森山三味線教室(森山博勝主宰)の生徒約30人が参加し、昼食後の入所者などを前に日ごろの練習の成果を披露した。

 三味線やチヂン(太鼓)、ハト(指笛)を鳴らし、踊り手も入った演奏が行われて盛り上がると来場者も飛び入り参加。森山主宰は、「ワイド節がどういう経緯で誕生したかを知ってもらえれば」と語った。

 昨年夏に三味線を習い始めたという伊津部小3年の座安心太くん(8)は、先月に続き2回目のワイド節演奏会。「練習通りにできなかった。次の演奏会に向け、もっと頑張りたい」と話した。