2021年度までに建て替えられる徳之島町役場現庁舎(左側4階建て増築棟除く)=5日、同町亀津
【徳之島】徳之島町は、老朽化した役場庁舎の現在地建て替えに向けて町総務課長を庁舎建設統括監に併任させたのに続き、近く関係課代表で庁舎建設プロジェクトチームを発足。近隣住民の津波避難施設も兼ねた庁舎として2020年度に着工、22年4月1日の供用開始を目指す。
同町の庁舎本館(鉄筋コンクリート3階建て)は1974(昭和49)年度に建設され、89(平成元)年度には海側に会議室など含む4階建てを増築。延べ床面積は計2200平方㍍。本館部分は老朽化と耐震性で。3、4階に大会議室などを配した増設棟についてもエレベーターなどがなく、バリアフリー面の指摘も絶えない現状にある。
役場内のプロジェクトチーム(財政・財産・建設担当など約8人予定)を5月中旬ごろまでに設置する。基本構想など概要をまとめて19年度に住民説明会を開催。提案型のプロポーザル方式も選択肢に設計して、現庁舎を維持活用したまま庁舎裏側駐車場に20年10月ごろに着工。2年継続で建設して22年度からの供用開始を目指すという。
現在地は海抜対策クリアの面で課題を残すが、「亀津市街地の近隣高台にまとまった代替地の確保が出来ないのが現状」と当局。そのため、津波の浸水被害に備え業務フロアを約2・5㍍かさ上げするピロティ式構造を採用。同空間は駐車場などに活用する計画だ。
2、3階の業務フロア(延べ床面積約2500平方㍍)の屋上部分には、奄美群島太平洋沖(南部)地震(震度6強例で最大津波高7・33㍍、到達時間27分予想)などにも備えて近隣住民など約300人を収容できる緊急避難所も設置する。
財源計画では89年度に庁舎建設基金条例を制定して3億円を目標に着手(17年度末現在基金高は約1億円)。国の緊急防災・減災事業債(起債額の約70%普通交付税算入)=20年度まで時限立法=と組み合わせた建設総事業費は15億円前後を見込む。
現庁舎のうち増築部分は開設予定のFM放送局の局舎などに活用。ほかは解体して駐車場にする方針。「華美なものは控えて災害避難所の機能を兼ね備えた庁舎をめざす方針」(岡元秀希総務課長・庁舎建設統括監)。