橋梁補修事業で対象となった新川橋自歩道橋(奄美市名瀬伊津部町)
18年度は補修13、点検127予定
点検対象が一巡 奄美市
高度経済成長期に整備された多くの橋梁=橋梁=が50年以上経過した現在、老朽化による補修などの維持が課題となっている。奄美市が2014年度にスタートした「橋梁長寿命化修繕計画」(10カ年)は今年度、5年目の節目を迎える。これまで進めてきた対象橋梁の点検や維持管理は、18年度事業計画(補修13橋、点検127橋)分で一巡する見通し。同市土木課は「市民に密着した生活道路の一部として、効率的な管理につとめたい」として、インフラ整備の推進を強調した。
一般に橋梁の耐用年数は50年とされる。点検対象となった市内橋梁330橋のうち、18年度に架設後50年を経過する橋梁は全体の3割強に上り、さらに10年後は全体7割超えとなる見通し。
これらを踏まえ、経年劣化による橋梁の修繕や維持管理経費の負担増が懸念されるなか、同市は計画に「予防保全的修繕」を盛り込み、5年ごとの点検サイクルによる早期対処を重視。確認後に補修を行う「事後保全型」管理に比べ、約50億円減のコスト効果を試算している。
4年間の計画実績は、点検事業203件、設計業務29件、補修事業18件―を実施。これまでの点検結果を踏まえ、市側は劣化の進行などを一定程度、把握。19年度以降も引き続き点検結果に応じて、効率的な維持と補修を行う予定だ。
18年度当初予算は、点検事業3千万円、設計・補修事業約1・8億円をそれぞれ計上。今回補修工事が計画される、名瀬伊津部町の「新川橋自歩道橋」(橋長約24㍍)で、毎日自転車通行しているという男性(66)は「移動に必要な橋。行政にはしっかりとした管理を願う」と話した。