植物など移動規制

植物など移動規制

植物等の移動規制内容を周知する今年度第1回広報強化週間が今月23日から始まる(PRする門司植物防疫所名瀬支所の検疫官)

本土からの搭乗客にも周知
23日から第1回広報強化週間

 門司植物防疫所名瀬支所は、植物防疫法に基づく植物等の移動規制内容を周知するため、大型連休前に今年度第1回目の広報強化週間を設けている。LCC路線の複数就航などで入込客が増えている中、奄美空港では病害虫の未発生地域である本土からの搭乗客に「奄美群島からの持ち出しに規制のある植物」を記載した資料入りのポケットティッシュを配る。

 植防によると、奄美群島全域からの持ち出しが規制(対象病害虫=イモゾウムシ、アリモドキゾウムシ、サツマイモノメイガ)されているのは▽サツマイモ(ツルや葉も持ち出せない)▽エンサイ(茎に空洞があり、「空芯菜」とも呼ばれている)▽アサガオの仲間(海岸から野山にかけて自生)。徳之島、沖永良部島、与論島からの持ち出し規制(対象病害虫=カンキツグリーニング病、ミカンキジラミ)は▽カンキツ類の苗木や枝葉(タンカン、ポンカン等)▽ゲッキツの苗木や枝葉(庭木、生垣などとして植えられている)。また、タンカンなどカンキツ類の果実は葉を取り除けば持ち出すことができることから「葉付きカンキツ類に注意」を呼びかけている。

 こうした病害虫がまん延、未発生地域に侵入・定着を未然に防止するため、植防では海空港などでの取締および広報に努めているものの、カンキツ類の生枝葉、サツマイモなどの移動事例は後を絶たない。2017年移動禁止植物取締実績(奄美群島内)をみると、携帯品43、貨物1の計44件。品目別ではカンキツ生茎葉が38件と最も多く、サツマイモ生塊根と同生茎葉が2件ずつ、ゲッキツとノアサガオの生茎葉が1件ずつ。

 規制内容を周知する「移動制限植物等に関する広報強化週間」は年3回全国一斉に設けられており、今年度第1回の期間は今月23日~27日まで。植防では関係機関への協力依頼、広報用ポスターの掲示やリーフレット配布などさまざまな広報活動を実施する。