徳之島町で群島議員大会

徳之島町で13年ぶり開かれた奄美群島市町村議会議員大会=16日、JAあまみ徳之島事業本部会館

奄振法の延長・充実を
世界自然遺産登録も一丸推進へ

 【徳之島】第61回奄美群島市町村議会議員大会(同市町村議長会主催)は16日、徳之島町のJAあまみ徳之島事業本部農協会館であった。今年度末で期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の確実な延期と充実強化による自立的・持続的発展など宣言。各地域の懸案・推進課題など8議題も採択。「奄振法延長・充実」「世界自然遺産登録の推進」など18項目を決議した。

 群島12市町村の議会議員や各首長、地元選出県議など関係者約200人が出席。同議長会の前田芳作会長(天城町議長)は、今夏の奄美群島―沖縄間航空路線(アイランドホッピングルート)による交流人口増・観光振興に期待。世界自然遺産登録は「非常に残念な延期勧告となったが、今後も群島民が一体となって登録を推進。次期奄振法の延長実現もしっかりと取り組もう」と呼び掛けた。

 高岡秀規徳之島町長や県大島支庁長、大島郡町村会長らあいさつに続き、永井章義・禧久伸一郎・向井俊夫の3県議が県政報告。IUCNの世界自然遺産登録の「延期」勧告に関しては、「指摘事項を改定して再申請した場合、最短で2年後。受け入れ態勢づくりなどにも大切な時間をいただいた。最短の東京五輪の年に登録を」(永井氏)などと期待を示した。

 大会宣言では、現行特別措置法に基づき創設された奄美群島振興交付金に伴う各種制度を積極的に活用した産業振興や人材育成、雇用の場確保。次期奄振法の確実な延長と充実強化による群島の自立的・持続可能な発展の実現―などを盛り込みアピール。

 国・県に要望し実現を目指す採択議題は、▽平土野港多機能港湾新設整備(徳之島町・天城町・伊仙町)▽乳幼児医療費・ひとり親家庭医療費・重度心身障害者(児)医療費助成事業の窓口無料化(和泊町・知名町・与論町)▽主要地方道名瀬瀬戸内線の大金久~戸円間トンネルの早期実現(大和村・宇検村・瀬戸内町)▽国道58号おがみ山バイパスの整備推進(奄美市)▽喜界空港の整備(龍郷町・喜界町)▽奄美群島における海岸線の油の漂着(議長会)▽さとうきびの販売価格・国の政策支援価格の引き上げ、基準糖度・同糖度帯の引き下げ(同)▽19年度以降の奄振法の延長(同)の8件。

 「奄振法延長・充実」や「群島交付金の充実・拡充」「世界自然遺産登録の推進」「名瀬測候所の地方気象台格上げ」など18項目を決議して目標意思の統一も図った。

 次ぐ研修会では、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センターの元室長・上席研究員の守屋成一氏が「アリモドキゾウムシ・イモゾウムシの昨日・今日・明日」と題し講演した。

 【自治功労者表彰】▽10年以上在籍議員 蔵正(大和村)、渡島芳臣(瀬戸内町)、伊勢勝義(龍郷町)、榮哲治(喜界町)、永野利則(和泊町)、福井原乃介(知名町)、奥山直武(同)、林隆壽(与論町)=敬称略=