奄美群島の植物教室スタート

野外観察会では、実際に植物を手に取り詳しい説明が行われた

鹿大
多様な植物、見て触れて学ぶ

 鹿児島大学薩南諸島の生物多様性とその保全に関する教育研究拠点整備プロジェクトは19日、1年6回シリーズで奄美群島の植物を深く知る「奄美群島の植物教室」を奄美市名瀬の奄美博物館でスタートした。初日のこの日は、植物好きのメンバー32人が参加し一年通した学びを決意。参加者らは、講師の話に耳を傾けながら、奄美の多様な植物や花に、見て触れて学んだ。

 同教室では、初めて見る植物でも科や属が分かる程度の知識を得て、図鑑で種名を探せるレベルの到達を目指すもの。一回の教室では、室内講習会と野外観察会をセットで行い、学習と観察の両面から見識を深める。

 講師には、同国際島嶼研究センター特任教授・鈴木英治理学博士を招き学習・実践を指南。この日は初日ということもあり、花や植物の基本的な構造理解に重点を置き講義が進められた。

 講習会では、花の構造や成長の過程などを学び、その形の進化から成り立ちを理解。カキの実は子房、リンゴの実はガクから成ることを知ると一同からは驚きの声。ファイリングや整理のための花や植物の撮影方法なども学んだ。

 観察会では、実際に外に出て身近な植物や木々を題材に全員で散策。好天の下、伸び伸びと花のにおいを確認しながら気になる木々などに目を配った。

 所々足を止めながら鈴木理学博士が「葉を裂いて糸を引くのがテイカカズラ」など、実際の植物を手に説明。一同、興味津々に質問を重ねながらメモを走らせ、正しい知識を身に付けた。

 奄美市名瀬在住の60代女性は「自分が生まれ育った場所なのに知らないことも多い。同じ世代の参加者もたくさんいるので一年間一緒に楽しく学びたい」と喜んだ。

 なお参加者らは残 り5回、季節の節目節目に奄美大島を巡り、植物マスターを目指していく。