徳之島町「学士村塾」開講式に臨んだ塾生たち=19日、同町生涯学習センター
【徳之島】2018年度徳之島町「学士村」塾の開講式(町教育委員会主催)が19日、町生涯学習センターであった。小中学生の学力向上対策に、公設の〝自学自習塾〟として10年目の今年度は、「土曜の部」6教室に81人、「平日夕方の部」4教室に40人の計121人が受講登録。「先人の生き方に学び勉学に励む」など同塾生憲章を唱和して意欲を新たにした。
同町にはかつて亀津「学士村」を中心に、最高学府の旧帝国大学出身者を多数輩出した「ヤンキチシキバン」の子育て教育風土があり全国の注目を集めた。「学士村塾」は、小中学生らに自学自習の習慣をさらに定着させ学力向上を図る一つの機会にと、かつての教育風土の再興も願って開設。各教室(会場)は自治公民館や学校施設を活用。塾長ら講師は町内の学識経験者や町職員を起用。▽「土曜の部」は午前9時~正午(夏・冬季長期休暇中除く)の3時間ずつ▽「平日夕方の部」は午後4時半~6時半(同)の2時間ずつを原則に開いている。
開講式には受講生71人や講師、保護者ら合わせ約100人が参加。秋武喜一郎教育長は式辞で受講生数の漸減傾向(申し込み者数・前年比計77人減)の原因究明も課題に挙げつつ、回復傾向にある町内児童生徒の平均学力の現状、質素な衣食住で我慢をして「ヤンキチシキバン」の子育てに徹した当時の親たちの姿、向学愛知・立身出世の夢・親への報恩感謝の心で頑張った子らの姿も解説。「学力は人生の扉を開けるマスターキー」と強調。保護者たちにはかつての教育風土と学士村の再興も促した。
塾生代表中島凜さん(手々小6年生)のリードで、①先人の生き方を学び、勉学に励む②将来の目標実現に向け一生懸命努力する―など「塾生憲章」10項目を唱和、決意した。