行政、関係機関合同防災点検

18年度合同防災点検があり、ハード整備が進められている現場を視察した(奄美市名瀬安勝町)

2カ所視察 「自ら命守る防災意識を」

 県大島支庁と奄美市、龍郷町などによる合同防災点検が28日あった。現在整備中の防災関連事業の工事現場を視察。進捗状況、周辺地域の安全対策などが説明されたほか、ソフト面では、関連情報の収集など住民への日頃からの防災意識啓発の重要性についても確認した。

 防災点検には、大和村を含めた3市町村、名瀬測候所、自衛隊、消防、警察などの関係団体も含む約30人が参加。奄美市の急傾斜地崩壊対策事業、龍郷町加世間地区の通常砂防事業が進められている2カ所の現場を視察した。

 奄美市名瀬安勝町の安勝5地区は、2010年の奄美豪雨災害時に斜面の小崩壊が発生。がけ高20㍍、傾斜度45度の急斜面で斜面上下部に近接する人家26軒があり、危険とされることから、10年度の復旧作業後も、12年度から本格的に用地調査・測量設計、15年度から工事を進めている。

 現場近くで、県大島支庁建設課による工事進捗のほか、周辺の人家、自然環境への影響を最小限に抑えるために講じられている対策なども説明。また、ソフト面では、自治体などがまとめているハザードマップの活用、関連情報の収集など住民への継続した啓発の重要性も呼びかけられた。

 同建設部の上大田孝成部長は「ハード対策には一定の限界がある。地域住民も防災意識を高めてもらい、自分の命は自分で守るという意識のもと備えてほしい」と話した。

 その後、龍郷町加世間地内、通常砂防事業(期間12~18年度)で、えん堤整備などが進められている現場も視察した。