徳之島町北部、7集落で豊年祭

少子高齢化・人口減の沈滞ムードを吹き飛ばした「豊年祭」=10日、徳之島町花徳地区

「わっしょい!」
青年団員ら奮起、地域に元気

  
 【徳之島】徳之島町北部の▽花徳地区(前川・上花徳・新村)▽轟木集落▽山(さん)地区(港川・内千川・山里)の7集落で10日、初夏の風物詩「豊年祭」「豊年祈願祭」があった。今年も各青年団が奮起してエネルギーを結集。農作物の豊作祈願や親睦交流と併せて、少子高齢化や人口減などの沈滞ムードを吹き飛ばした。

 花徳地区3集落の各青年団は一昨年、連絡協母体の「花徳青年団」を結成して合同豊年祭に一本化。みこしの担ぎ手不足など人口減が背景にあるが、逆に〝三本の矢〟を束ねたようにパワーアップ。先月5日には地域活性化イベントの屋外映画上映会も主催。群を抜く活動団体となっている。

 午前9時すぎから「花徳神社」に合同参拝して農作物の豊作を祈願。今年は町連合青年団の仲間たちも援軍で駆けつけた。青年みこしを先頭に農作物などで飾った花車、仮装隊、踊り連など約250人が参加。3集落の目抜き通りなど約4・2㌔を練り歩いて住民たちを楽しませた。

 今年の同祭りの幹事役、新村青年団長の秋本祥吾さん(34)は「青年団員たちの熱意が高まっており、(本土に暮らす)後輩たちが島に帰れるように頑張っていきたい」と話し、若者のUターン・定住促進に期待。先輩で前川集落区長の山口史(ふみと)さん(69)は「若い青年たちの頑張りで集落も元気になり、地域も活性化していく」と目を細めた。

 轟木集落「豊年祈願祭」では午前8時半、町内外在住の出身者たちも迎えてまず「轟木神社」で豊作祈願。勇壮な青年みこしを先頭に、目いっぱいの装飾を凝らした〝花車〟などを連ねて集落を巡回。

 山地区「豊年祭」では午後1時すぎ、3集落合同で「ナゴリ山神社」で豊作を祈願。威勢のいい青年みこしや子どもみこし、〝花車〟や踊り連が3集落をパレードして楽しませた。

 町制施行・町村合併60周年の年とも重なり、各集落ともパレード後は懇親会を開いて住民の絆を深め合った。