伝統工芸士などの作品による職人展が開幕した
奄美と鹿児島の職人連携
反物や仕立て紬、小物も
本場奄美大島紬伝統工芸士会(南愛子会長)は29日から、奄美市名瀬浦上の本場奄美大島紬協同組合(旧県工業センター)で2018大島紬職人展をスタートさせた。奄美や鹿児島の両産地の職人による様々な作品が配列され、来場者は職人から作品の解説を受け幅広い紬の製品に見入っていた。期間は31日までで、最終日は講演会や意見交換会が予定されている。
同協同組合や同販売組合が移転したことを契機に、奄美と県本土の両産地の職人の作品を展示販売する目的で開催。職人展は、職人が中心となり取り組む初の事業で、鹿児島産地との合同展も初の試みとなる。
奄美・鹿児島の職人12人の作品約250点を出品。反物や仕立てられた紬をはじめ、ネクタイやループタイ、フォトフレーム、ランプシェードなどの小物が職人ごとに展示されている。
鹿児島からは2人の伝統工芸士の作品が出展された。洋装に合わせやすい白色のストールと、西郷隆盛にちなんだ「西郷柄」を平成の時代にアレンジした反物「平成西郷星」も披露されている。
来場者は職人から作品のコンセプトや、制作に工夫した点などの説明を受け作品をじっくり鑑賞。南会長は「初の職人展に、芭蕉布など紬に限らず幅広い作品を用意した。職人展で奄美と鹿児島の両産地が交流して、紬の世界を広げていければ」と語った。
奄美市名瀬から来場した70代の男性は、「今までになかった展示会が始まり良かった。展示会で着物だけでなく、いろんな角度から紬を見直し活用につながれば」と話した。
31日は、日本伝統工芸士会の田畑喜八会長が講演。田畑会長との意見交換会なども実施される。