西康範さんが撮影した「コケセンボンギク」
森の中に可憐な花
奄美大島南部で「コケセンボンギク」が咲いているのを、奄美市名瀬の西康範さんが撮影した。森の草地に小さく可憐な白い花がけなげに映る。西さんは「4月ごろから開花し、現在開花期はほぼ終盤」と話す。
『奄美の絶滅危惧植物』(山下弘さん著)によると、本州(広島県)、奄美大島、徳之島、沖縄島、石垣島、西表島に分布。林緑の日当たりの良い草地に生えるキク科の小型の多年草。花茎は高さ3・5~12㌢。
根出葉はロゼット状で倒卵形、長さ12~30㍉。葉縁には波状の鋸歯があり軟毛を布する。頭花は茎頂に単生し、舌状花は3列で長さ2・5㍉。和名「苔千本菊」は、秋に実った種子を槍が林立している様に見立てたもの。
環境省の絶滅危惧ⅠA類に指定され、道路工事、園芸採取、踏みつけなどが絶滅危惧の主要因とされている。