「敬天愛人に繋がる親子の絆」をテーマに6氏が参加して行われたパネルディスカッション
明治維新150周年記念シンポジウム「西郷隆盛と菊次郎~敬天愛人に繋がる親子の絆~」(明治維新150周年記念行事実行委員会、龍郷町、町教育員会主催)が19日、龍郷町体育・文化センターりゅうゆう館ホールで開かれた。基調講演した志學館大学教授の原口泉氏は「『敬天愛人』の精神を世界へ発信していかねばならない」と指摘。6氏が参加してパネルディスカッションがあった。菊次郎翁を縁とした共同宣言式典も行われ、ゆかりの地の5自治体が交流宣言した。
会場収容人数600席超える聴衆が来場。最初にウエルカムコンサートがあり、3部構成で行われた。「『敬天愛人』の精神を現代へ」と題して基調講演した原口教授は「西郷隆盛翁が座右の銘としていた『敬天愛人』の精神、生き方を実践したのは菊次郎翁だ。台湾の宜蘭市に建てられた顕彰碑(西郷庁憲徳政碑)を見たときは、本当に胸を打たれた」「菊次郎翁は12歳でアメリカに留学し、いろんな世界、異文化を体験・旅して、そして世のため人のため尽くされた。後世に伝えていかなければならない」「妹の菊草(菊子)さんとの兄妹愛、西郷家の家族愛の手紙や資料も残っている」と述べた。
パネルディスカッションは「敬天愛人に繋がる親子の絆」をテーマにあり、▽久岡道武氏(琵琶湖琉水記念館学芸員=京都市)▽津留今朝寿氏(菊池源吾に学ぶ会副会長=熊本県菊池市)▽徳永和喜氏(鹿児島市西郷南洲顕彰館館長)▽黒田敏隆氏(永野西郷菊次郎顕彰会理事=現さつま町)▽伊勢勝義氏(志塾西郷塾事務局長=龍郷町)がパネリストとして参加し、原口教授がコーディネーターを務めた。「京都三大事業」などそれぞれの地で菊次郎翁が残した功績を説明した。
交流宣言は、台北駐福岡經濟文化辨事處、京都市、菊池市、さつま町、龍郷町が参加。宣言文は①西郷隆盛・西郷菊次郎億の「敬天愛人」の世界を未来に残す活動を推進②各自治体が相互に連携を深め、歴史・文化、郷土教育、観光・物産の分野において協力・交流を図る―との内容。