台風接近で影響

漁解禁も水揚げが少なかったイセエビ(名瀬漁協)

野菜やフルーツが島外出荷できない状況に(名瀬中央青果)

イセエビ解禁も漁回避、青果は島外出荷できず

 イセエビ漁が21日から解禁された。奄美市の名瀬漁協(満林春夫組合長)では同日早朝、イセエビの初セリがあったが、台風19号の接近前とあって漁を回避した漁業者も多く、水揚げはわずか4・2㌔(12匹)にとどまった。今後は20号も西日本に接近する恐れもあることから、漁協関係者は「本格的な漁は週明けの27日以降」と見ている。解禁期間は来年4月末まで。

 解禁初日のこの日はアカエビ(カノコイセエビ)2㌔、アオエビ(シマイセエビ)2・2㌔が入荷。1㌔当たり約2千円の値がついた。素もぐり漁で水揚げした准組合員の男性(36)によると、波が高かったため漁場は近海。「漁獲物の型はいいと思うが、自分以外に水揚げが少なくて驚いた」と話した。

 旧盆(23~25日)用に例年、ホタ(アオダイ)やチビキ(ハマダイ)が水揚げされる時期だが、奄美大島の漁協関係者は「台風が通過するまで1週間は不出漁。漁業者にとって厳しい状況」と口をそろえる。
 イセエビをセリ落とした市内のスーパー担当者は「初物なので店頭に並べたいが、量がそろうまで遅くなりそう。お盆前の書き入れ時なのに…」と残念顔。

 野菜やフルーツの出荷も影響を受けた。フェリー欠航で島外出荷ができないため、名瀬中央青果㈱(森山直樹代表取締役社長)の同日のセリでは島内消費分として、買い付ける様子が見られた。

 同社担当者によるとアップルマンゴー、グアバなどは贈答用、ネギ類やトウガンなどの野菜はお盆時期の食材として並ぶが悪天候が続く見通しに、「買い付けが低調になりそう」(同担当者)と懸念。台風接近によるダメージに声を落とした。