奄美地方暴風域入り

強風で白波が立ち、係留中の漁船に打ち寄せた(21日午後3時ごろ、奄美市名瀬大熊漁港)


満潮を間もなく迎える時間帯、台風接近に伴う高潮で、市内海岸側の道路にも海水が吹き寄せた(21日午後3時ごろ、名瀬小湊)

台風19号 喜界町で最大瞬間風速40・6㍍を観測
家屋破損、自主避難者も

 非常に強い台風19号は21日午後6時現在、奄美地方北部を暴風域に巻き込みながら、奄美大島の東北東約100㌔を時速25㌔で北西に進んでいる。名瀬測候所によると、奄美地方が暴風域を抜けるのは、南部が同日夜遅く、北部は22日未明の見込み。同所は、暴風やうねりを伴った高波への厳重警戒、大雨への警戒を呼び掛けている。

 台風19号は21日午後6時現在、奄美大島の東北東約100㌔にあり、中心の気圧は950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45㍍、最大瞬間風速は60㍍で、北西に時速25㌔の速さで進んでいる。中心の全域150㌔以内が暴風域、東側440㌔以内と西側300㌔以内が強風域となっている。気象庁は同日午後6時現在、北部・南部ともに暴風・波浪警報および雷注意報、北部には大雨・洪水注意報を発令している。

 同庁の発表によると同日同時現在、喜界島で2009年の統計開始以来8月の観測史上最大となる最大瞬間風速40・6㍍(最大風速29・3㍍)を記録。この他、最大風速(最大瞬間風速)は、瀬戸内町古仁屋で21・0㍍(32・3㍍)、奄美市笠利で19・9㍍(35・0㍍)を観測した。

 同所は同日午後5時現在、22日にかけての最大風速(最大瞬間風速)を、北部で30㍍(45㍍)、南部で25㍍(35㍍)、最大10㍍のうねりを伴った高波を予想。21日午後6時から22日同時までの雨量は多い所で、1時間80㍉、24時間250㍉を見込んでいる。

 県大島支庁は21日午後1時に災害警戒本部を設置。群島内では同日午後6時までに3市村で対策本部、天城町を含む4町で警戒本部を設置。同日5時現在、喜界町で屋根が飛ぶ家屋破損1件が報告されたが、その他の人的・住家ともに大きな被害は確認されていない。

 21日午後6時現在、大和村で避難勧告、北部の5市町村で避難準備・高齢者等避難開始を発令。市町村ごとの自主避難者数(同日午後5時現在把握数)は▽奄美市28世帯46人▽龍郷町2世帯2人▽瀬戸内町8世帯10人▽大和村18世帯32人▽宇検村10数人▽喜界町10世帯11人―となっている。

 また、強い台風20号は同日午後3時現在、小笠原近海にあり、時速30㌔で北西に進んでいる。中心の気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35㍍、最大瞬間風速は50㍍。中心の東側560㌔以内と西側280㌔以内が強風域となっており、今後四国沖を通過し、24日午後3時には日本海に達する見込みとなっている。