マングース捕獲用のわなを生徒らに見せ、仕組みを解説する松田研究員
「外来生物自身は悪くない」
大島高、総合学習の一環で
奄美市名瀬の県立大島高校(竹井俊久校長)は19日、(一財)自然環境研究センター奄美大島事務所研究員として奄美マングースバスターズを束ねる松田維さん(49)を講師に招き、講演会を開いた。バスターズの結成の経緯、近年の防除実績などについての話があり、生徒らはメモを取り真剣な様子で聞き入った。
同校では毎年、「総合的な学習の時間」の一環で、外部講師による出前授業を行っている。今回は1、2年生の選択者を対象に実施した。
奄美大島では2005年に奄美マングースバスターズが結成されて以降、マングースの完全駆除を目指した取り組みが進められている。近年では地域的排除が進んだことにより分布範囲が縮小。00年には4千頭近かった捕獲数も、16年度には23頭、17年度には10頭と減少している。
松田さんは講演の中でバスターズの日々の業務や、捕獲実績を紹介。「最後の1頭を捕獲するまで、十分な作業を継続し、残存個体や移動個体を見逃さないことが大切」と今後の展望についても解説した。講演の締めくくりには「外来生物自身は悪くない。人間が持ち込んだから生きるために繁殖しているだけということを理解してほしい」と生徒らに呼び掛けた。また捕獲用のわなの実物を生徒らに見せ、仕組みなどを実演して見せた。
受講した中村龍喜さん(16)は「奄美が世界自然遺産登録に向け注目されているが、断片的なことしか知らなかった。わなの仕組みやエサなどを学ぶことができて良かった」と話した。