2日、大和村と宇検村で希少種盗掘・盗採防止合同パトロールが行われた=提供写真=
環境省奄美自然保護官事務所と、奄美大島自然保護協議会は2日夜、大和村と宇検村の林道で希少種盗掘・盗採防止合同パトロールを行った。瀬戸内署も参加し、不審車両や人物などに警戒。盗掘・盗採などの違法行為への抑止効果を期待した。
奄美大島では9月以降、環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠA類に指定されているアマミアワゴケや同ⅠB類指定のダイサギソウなど希少種の盗掘・盗採の被害が相次いで確認されている。こうした現状を受け、同事務所と協議会が連携してパトロールの実施を急きょ決定した。
今回は瀬戸内署が協力し、署員3人が同行。警察がパトロールに参加することで、盗掘・盗採者を発見した際に現行犯として迅速に逮捕できることがメリットとして挙げられる。警察と共同でのパトロールは今回に限らず、範囲を変えながら継続する予定。また、同事務所では防犯用のカメラを早急に設置する準備を進めている。
この日は同事務所駐車場で出発式を行った後、大和村と宇検村を2班に分かれて行動。約3時間かけて巡回した。パトロールや規制を周知するチラシなどを用意していたが、車両とのすれ違いや、駐車車両の発見などはなかった。
同事務所の千葉康人上席自然保護官は「規制内容を周知し、パトロールを継続することで、モラルを向上させることが大切。盗掘、盗採は法律違反でもあるし、地域住民が大切に守っている宝を盗むのは許されない行為だ」と語った。
同協議会から参加した大和村企画観光課の後藤美穂子さんは「警察と合同で行うことで、直接注意することも可能になる。5市町村が連携し、対策の周知などを行うことで抑止につながれば」と話した。