奄美署管内企業等防衛対策連絡協

奄美署管内企業等防衛対策連絡協

ロールプレイングでは奄美署員が暴力団員に扮し、不当要求。受講者が対応する訓練を行った

 

実践交え対処学ぶ
反社会勢力による不当要求防止講習会

 暴力団員など反社会勢力による不当要求被害を防止するため、奄美警察署管内企業等防衛対策連絡協議会(会長・谷芳成奄美大島商工会議所会頭)は10日、講習会を開いた。奄美市の18事業所から約40人が受講。ロールプレイングでの実践などを通し、対応策を学んだ。

 奄美署の前平裕樹生活安全刑事課長によると、2016年に約290人いた県内の暴力団員が現在、約220人にまで減少しているという。一方で、準暴力団、いわゆる「半グレ集団」は増加傾向に。また奄美では、県外の暴力団関係者が転入する事例が散見されるほか、奄美署管内出身の県外暴力団関係者が頻繁に帰島するケースもあり、予断を許さない状況にあるという。

 前平課長は、不当要求を退けるための平素の対策として、①トップの危機管理②体制づくり―など4項目、有事の際の対策として、①相手より多くの人数で対応②対応時間を短く設定③即答や約束はしない―などの12項目を挙げ、周知した。

 講習で受講者らは、暴力団を排除するための対処法などを映像で学んだ後、ロールプレイングで対応を実践。実際にあった事例に沿って、暴力団員に扮した奄美署員と向き合った。

 机を叩く、怒鳴り声をあげるなどの行動を取る暴力団員役に対し、受講者からは「頭が回らずどうすればよいのかわからなくなった」、「実際に起こったら頭が真っ白になる」などの不安も聞かれた。こういった声に対し、同署職員らは対応時間内の110通報を促したほか、「準備が大切なので、平素からの対策を」と呼び掛けた。