公開授業では、子どもたちが自発的に考えるための授業を披露した
県小学校教育研究会社会科部会など主催の「第58回県小学校社会科教育研究大会・大島大会」が12日、奄美市名瀬の小宿小学校で開かれた。県本土を含む教職員や関係者64人が参加。「子供が主体的に調べ考える社会科学習指導の在り方」をテーマに、子どもたちが率先して考えを深め合える社会科授業構築を目指して、議論を交わした。
同部会は、新学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」に基づき、子どもの学びの過程に着目し学習指導の研究を推進。大会は県内小学校の持ち回りで毎年行われ、大島地区では24年ぶりの開催となった。
会では、小宿小の眞邉笑子教諭が研究発表、桑原真吾教諭が公開授業を担当。参加者した教員らは研究発表や授業参観をもとに、社会科指導のよりよい改善に向けて意見を交わした。
研究発表では、子どもたちが主体的に調べ考えることのできる視点として、▽指導内容に応じた地域素材の教材化▽学習問題の設定▽教師の働きかけの具体化―の3点を提示し、授業の進め方や考え方を解説。同校6年生による公開授業では、「長く続いた戦争と人々の暮らし」と題し、豊富な資料や地元体験者の声を収録した映像を取り入れるなど、子どもたちが自発的に考える授業を実践した。
分科会では、発表をもとに研究内容の成果や改善点などをワークショップ形式で分析。「資料が豊富なわりに考える時間が短いのでは」「考えを進めるにはもっと足掛かりが必要では」など意見が飛び出した。
最後、同市教委・淀修司主幹兼指導主事が講評。「地域の素材を使い、子どもたちは生き生きと課題に向かい合っていた。(子ども思慮を深めるには)教師が多く語るのではなく、資料が語る授業にしてほしい」と総括した。