受講生がまとめた地域課題の解決策などに住民の投票で優先度をつけた
奄美市名瀬地域包括支援センターは20日、同市名瀬の奄美小学校体育館で「ファシリテーター養成講座」の6回目を開いた。受講生がこれまでの講座でまとめた校区内4町の魅力や課題、活性化策のプレゼンテーションを地域住民に行った。いつまでも住み続けられる町づくりに向けて、様々な意見が出された。
同センターは地域支え合い体制の構築や持続可能な地域社会づくりに向けて、「寄りあいワークショップ」の手法や理念を学び、地域でワークショップを展開するファシリテーター(促進役)を養成する目的の講座を企画。講座の指導を千葉大学大学院看護学研究科の山浦晴男特命教授などが担当。今年5月から10月まで全6回シリーズで、市内各地区の地域支え合い協議体事務局・協議会メンバーや医療・介護・福祉関係者などが受講生として参加していた。
「寄りあいワークショップ」では、地域の問題意識を共有化し実際に写真取材を行い地域再生のメニューづくりにつなげる。住民に参加してもらい、主体的に実践や検証することで創造性を発揮してもらう仕組み。6回目の講座は写真取材した安勝・石橋・久里・古田の4町の魅力や、地域活性化の課題と解決策を、住民に提案して投票で優先度の高い五つを実行計画案として選出する。
山浦特命教授が、講座のプログラムを進行。これまでの講座でまとめた地域の資源写真マップや解決案などを、受講生が各町の住民に説明して地域活性化の提言を行った。
プレゼンでは新川や大島紬工場、花の植え込みなどの活用策が多く出された。アートのまちづくりや、地元の菓子店と共同で名物作成などのアイデアも。
石橋町の重井英二さん(63)は、地域のコミュニティづくりに参考にする目的で参加。「プレゼンを聞いて、4町それぞれ特徴があり、住宅街で新川に沿っているなど共通点も分かった。地域の課題解決にファシリテーターとワークショップの手法が必要だろう。住みよい地域づくりが進んでもらえれば」と感想を話した。