官民一体で黒糖焼酎開発

新商品・奄美黒糖焼酎「開饒」の完成を発表する伊集院村長と渡社長

大和村と開運酒造
新商品、9日から島内で先行販売

 大和村と㈱奄美大島開運酒造(宇検村、渡慶彦社長)は7日、同村発のブランドとして共同開発した新商品・奄美黒糖焼酎「開饒=ひらとみ=」を発表した。黒糖の香りとコクの高さにこだわった味わい深さが特長。伊集院幼村長は「官民一体となって開発した(同村)初めての商品。大和村の発信・振興につなげたい」と今後の展開に期待を寄せた。商品は、9日から島内の酒販店やスーパーなどで先行販売する。

 開発のきっかけは、村から「大和村でしかできないこと」をコンセプトに、昨年同社に開発を依頼し開発がスタート。今年5月31日に「開饒/ひらとみ」のブランド名で商標登録を行い、この日の発表に至った。

 商品は、アルコール度数30度の黒いラベルと同25度の茶色いラベルの2種類を販売。両ラベルともに900㍉㍑で、黒が1387円、茶が1226円(税抜き)。

 製造には、ブランドの象徴として両村をまたぐ湯湾岳の伏流水を使用し、常圧蒸留で製造。黒は「すっきりとした中に豊かなコクがある」とし、茶は「口の中で香りが広がるバランスのとれた飲み口」。開発者はオンザロックなどでの飲み方を薦めている。

 この日は、伊集院村長と渡社長、関係者が同村にあるサトウキビ栽培の祖・直川智をまつる開饒神社を訪れ、奉告祭で商品を奉納。同防災センターでは、「商標取り扱いに関する協定書」を締結し、がっちりと握手を交わした。

 渡社長は「村関係者の熱い思いがあり、新ブランドとして誕生できた。豊かな自然の恵みを受けた結晶。(お互いが)協力しながら商品普及に貢献していきたい」と抱負。伊集院村長は「直川智に捧げる立派な焼酎ができたこと、村制施行110周年の節目にできたことは大変な喜び。大和村発のブランドとして物産展やイベントで売り込み、ふるさと納税の返礼品などとしても広めていきたい」と意気込みを語った。

 今後は、時期を見ながら容量などのバリエーション展開も図っていく予定。