「美名田林道」で夜の森歩きを楽しむ参加者たち=17日午後7時すぎ、天城町当部
【徳之島】「夜の森歩きをしてみよう!in天城町」と銘打った奄美群島国立公園自然ふれあい行事(環境省徳之島自然保護官事務所、NPO法人徳之島虹の会主催)が17日夜、同町当部の「美名田(みなた)林道」であった。家族連れなど16人が参加し、希少野生動物との遭遇チャンスに胸を膨らませながらナイトツアーを楽しんだ。
世界自然遺産候補地の一つ徳之島の森には多くの希少野生生物が生息。だが、島で暮らす人の中にはアマミノクロウサギなど希少動物を見たことがない人も多いのでは―と企画。8月に天城町役場で実施した自然ふれあい事業「徳之島の森を再現!みんなで模擬ナイトツアーに出かけよう!」に続く第2弾。
ガイドは徳之島地区自然保護協議会副会長の松村博光さん(同町当部)が担当。当部公民館で「林道にはクロウサギやケナガネズミ、トゲネズミのほか、もちろんハブもいます。歩くときは注意して道の中央を歩きましょう」など説明を受けて徒歩で出発した。
ナイトツアーは同林道の約1㌔を1時間余かけて往復するコース。先頭の数人は幸運にも路傍に出ていたクロウサギを目撃。サソリモドキや樹上のズアカアオバト、ホタル、外来植物(アメリカハマグルマ)なども観察。ノネコなど監視用のセンサーカメラ、同捕獲用箱わなの実物を前に、その目的など説明も受けた。
参加者の60代男性は「夜の林道を初めて歩いて期待感とわくわく感があった。次回も計画して欲しい」。家族で参加した嶺千洋(ちひろ)君(犬田布小3年生)は「夜の森ってどうなのか、ハブも見てみたくて参加した。クロウサギを初めて見られてうれしい。次は山に登ってみたい」と目を輝かせた。
沢登良馬自然保護官(28)は「次回は外部講師も呼ぶなど企画を工夫して継続していきたい」と話した。