コンテナ型植物工場を整備

コンテナ型植物工場のお披露目会で記念撮影する(左から)三進金属工業の新井正準会長、渡博文会長、トヨタL&F鹿児島の諏訪健筰社長


コンテナ型植物工場の室内

奄美大島宇検農産 知名瀬で野菜水耕栽培

 ㈱奄美大島宇検農産(渡慶道社長)は今月、奄美市名瀬知名瀬に水耕栽培による葉物野菜の生産を目的とした「コンテナ型植物工場」を整備した。当面はレタス栽培を手掛ける。奄美観光㈱の渡博文会長(85)の地域貢献に対する強い意向で整備が実現したという。27日、購入企業の役員らを含め関係者が出席して現地でお披露目会があり、整備を祝った。

 整備場所は、知名瀬公民館前の県道を海側に曲がって約50㍍の所。同社によると、敷地面積825平方㍍の左奥側に同植物工場を設置。コンテナのサイズは長さ約12㍍、幅約2・4㍍、高さ約2・9㍍。コンテナ内には両側に6段の棚があり、棚の上部にはLED照明(蛍光灯)216本を設置。クーラーを2基設置して室内の上下の温度差がないよう調節する。栄養分を含んだ水を循環させる設備などがある。

 水耕栽培の流れは①種まき(水を含ませたウレタンにレタスの種をまき、育苗箱にふたをする)②緑化(育苗箱のふたを開けてLED照明に当てる)③仮植え④定植⑤約40日後に収穫(環境により日数は多少異なる)。約40日後にレタス80個の収穫を見込む。

 奄美観光㈱の武原末明会長付開発準備室長が管理責任者を務める。武原室長の水耕栽培研修を経て12月初旬ごろに種まきを開始したい、としている。レタスは、青果物等の取扱店に販売予定。

 コンテナ型植物工場は、三進金属工業㈱から購入。水耕栽培研究は、グループ企業の㈱M式水耕研究所が行っている。三進金属工業の細川頼男常務執行役員は、同植物工場の特徴に関して「コンテナは完全密閉型で、天候不順に影響されず、虫の影響もない。水耕栽培した野菜は、無農薬栽培で安全安心、栄養価も高い」「露地栽培と違い、土の連作障害がない」などの利点をPRした。

 渡博文会長と三進金属工業の新井正準会長が交流してことがコンテナ型植物工場導入のきっかけになったという。渡会長は「7年前から導入を考えていた。奄美は、台風の影響で船便がストップすることがある。コンテナ型植物工場は、奄美にぜひ必要なものだと考えた。知名瀬は名瀬市街地に近く、水も良い。地域貢献していきたい」と話した。

 お披露目会には、同植物工場の販売を手掛けるトヨタL&F鹿児島の諏訪健筰社長も参加した。