龍郷町で「西郷どん」最終回PV

最終回の鑑賞後に感想など話す出演者ら

トークショーに参加した里アンナさん(右)と菊次郎役の城桧吏さん(左)

「奄美を誇りに思える」
出演者トークショー、大画面で鑑賞

 龍郷町「西郷どん」プロモーション実行委員会(委員長・竹田泰典町長)は16日、同町の体育・文化センターりゅうゆう館でNHK大河ドラマ「西郷どん」最終回パブリックビューイング(PV)イベント「西郷どん最終回みんなで見っど~龍郷に来てくりしょり~」を開いた。町内外から多数が訪れ、出演者トークショーやドラマ最終回の鑑賞などを楽しんだ。出演者からは「奄美を発信してもらい、誇りに思えた」などの声が聞かれた。

 これまで西郷隆盛を扱った大河ドラマの中でも、奄美大島や沖永良部島など島での暮らしが多く描かれた同ドラマの最終回の鑑賞イベント。駐車場は満杯になり、会場前は入場を待つ人で50㍍以上の長蛇の列ができた。

 約500人の来場者を前に、開会で竹田町長があいさつ。「今回ドラマの奄美編で、全国に奄美の素晴らしさが伝わった。多くの人に来ていただき、大画面で迫力ある映像を楽しんでもらいたい」と語った。

 トークショーの第1部に、愛加那の兄・龍富堅の妻の里千代金役で出演した歌手の里アンナさん、オープニング映像などを制作したL.S.W.Fの5人が登壇。ドラマで使用されなかった特別映像など披露。L.S.W.Fの中村豪さんは「奄美に撮影に来て、自然の雄大さを感じた。海で撮影していたので、大河の撮影に来ているとは思われなかったのでないか」と話した。

 その後、ドラマの劇中歌を歌った若手唄者の前山真吾さんが登場。里さんと前山さんのシマ唄と劇中歌など5曲をミニコンサートで歌唱。ドラマではサラ・オレインさんが歌った「我が故郷」を上原静香さんのピアノ伴奏で、里さんと前山さん二人のハーモニーで観客を魅了した。

 第2部のトークショーに、里さんと幼少期の西郷菊次郎役・城桧吏さん、演出の盆子原誠さんと石塚嘉さんが参加。城さんが回った同町龍郷集落の菊次郎に関した史跡での写真も紹介。ビデオメッセージでは愛加那役の二階堂ふみさんと、ナレーションと晩年の菊次郎役・西田敏行さんから、「奄美が大好きになった」(二階堂さん)「奄美の人に熱心に見てもらったと聞いた。奄美編が好きだった」(西田さん)などの言葉が伝えられた。

 ドラマ鑑賞は、午後6時からの衛星放送を大スクリーンで視聴。場面が進み西郷隆盛が銃弾を受け倒れ命を落とすシーンが流れると、場内からはすすり泣く声も聞かれた。

 最終回鑑賞が終わり、出演者などが再び登壇して感想など発表。城さんは「『西郷どん』に出られて良かった。奄美大島に来たかったので、最終回を奄美で見られて良かった」と話した。

 里さんは「最終回をみんなで見られて良かった。一年間ありがっさまりょーた」と感謝。前山さんは「出演者や制作陣などに、興奮と感動をありがとうございましたと言いたい。劇中歌を担当したのは、一生の財産になる」と語った。

 その後、安木屋場集落の住民などが登場して六調を演奏。里さんや前山さんの歌が入り、舞台上や客席などからの飛び入りの踊りで盛り上がりフィナーレとなった。

 場所を移しての報道陣取材で、出演者などからパブリックビューイングの感想やドラマに出演して思うことなどが語られた。涙流して最終回を見たことや、観客の反応を喜ぶ感想も。

 前山さんは「大河で郷土の偉人を知った。ドラマで胸を張れる。島の人間として誇りを持って堂々と歌って行きたい」。里さんは「奄美大島が今までよく知られていなかった。ドラマで知ってもらえた。奄美は素晴らしい所ということを、これからも多くの人にシマ唄と共に伝えていきたい」と今後に向け、意気込みを語った。