冷たい海での初泳ぎを終え、駆け足で浜辺に戻ってくる参加者ら
真冬の海で身引き締め
健康祈り、ベスト尽くす決意
奄美水泳連盟(皛納正人会長)は1日朝、奄美市名瀬の朝仁海岸で新年恒例の「初泳ぎ」を行った。小学生から一般まで約40人が参加。真冬の海で身を引き締め、これから始まる1年の決意を新たにした。
同会の初泳ぎは50年以上前から毎年行われる伝統行事。今年は数日前から同海岸に有毒のクラゲが打ち上げられていたため、「長袖を着用し、肌の露出を少なくするように」と参加者に注意を促して実施した。皛納会長は「1年の始めに水泳を愛する人が集まり、健康と水難事故防止を祈る。自分の目標を定めてベストを尽くす決意をするとともに、世代間交流の場にもなっている」と初泳ぎの意義を話した。
この日、雨は降らなかったものの風はやや強く、参加者らは震えながら、海岸から波打ち際まで走った。足が水に触れたタイミングで子どもたちからは「冷たい」との悲鳴も上がったが、保護者や関係者らの声援を受け、海に浸かり、冷たい白波をかき分け泳いだ。
海から上がると、用意されたたき火にあたり、保護者らが用意したぜんざいをほおばり、暖を取った。10年以上初泳ぎに参加している、郁美宙さん(17)は東京の高校に通っているが、帰省に際し行事に参加。郁さんは「新年一発目にみんなと泳ぎ、気持ちを新たに『東京に戻っても頑張ろう』と思える良い伝統。今年は高校3年生になるので、勉強と部活を両立し、次に帰って来た時に何十倍も成長した姿を家族に見せたい」と抱負を語った。