奄振法延長に前向き

名瀬港湾の整備計画や台風被害を受けた沖提の状況を視察した石井国交大臣(写真は大熊展望台)

石井国交大臣 奄美大島視察終了
「通常国会に向け準備を」

 奄美大島視察のため、5日から来島している石井啓一国土交通大臣=衆院比例北関東=は6日、国土交通省が所管する施設や整備事業の進ちょくなどを確認し、帰路に就いた。視察終了後、報道陣の取材に応じ、今年3月末に期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法(=奄振法)について、「奄振審議会が決議した継続への意見具申を踏まえ、法的な枠組みの中で準備を進めたい」と述べ、同法延長に前向きな姿勢を示した。

 視察2日目は、奄美市名瀬の大熊展望台を訪れ、台風24号の波浪で損壊した名瀬港沖合の防波堤を視察したほか、名瀬港旅客ターミナルでは岸壁工事の進ちょく、寄港数増が見込まれるクルーズ船受け入れなど湾岸整備計画の展望について担当職員がパネルを使い説明した。

 奄振法改正の作業を進めている中、今回の視察は1月下旬に召集される見通しの通常国会に向け、現地確認や地元の意見を交えた調整などが主な目的だ。

 30数年ぶりの来島という石井大臣は交通インフラの充実、世界自然遺産登録の実現を目指す自然環境の魅力を挙げ、「奄振審議会の意見具申から、継続的なインフラ整備など奄美における振興開発は必要」などと話し、このタイミングでの視察の意義を強調した。

 そのほか水没した沖提については、今年度二次補正予算を活用し、機能強化を盛り込む対策事業を早期に実施する方針を明かした。

 2日間の滞在中、インフラ関連では名瀬港旅客ターミナルや和光バイパス。観光関連では県奄美パーク、黒潮の森マングローブパーク。奄振関連としてタンカン農家や黒糖焼酎メーカーなど11カ所を訪問。金子万寿夫衆院議員、遠山清彦衆院議員=比例九州・沖縄=、三反園訓知事、朝山毅奄美市長が同行した。