ケンムン型ハーモニカ製作

ケンムン型ハーモニカ製作

畳製ハーモニカを受け取った奥代表(左から2人目)、製作した西脇さん(手前)

京都の老舗畳店・西脇さん ばしゃ山で寄贈式
「これからも愛される存在として」

 京都の老舗畳店店主が畳の普及活動の一環でこのほど、奄美に伝わる妖怪「ケンムン」をデザインしたユニークな「ハーモニカ」(縦90㌢、横65㌢、厚さ6㌢)を製作した。畳を切り出し、絵柄の頭頂部に楽器を装着。見る者の目を奪うほどのインパクトが話題となっている。

 製作したのは創業明治2年の「西脇畳敷物店」=京都市上京区=代表の西脇一博さん(52)。13日は奄美市笠利町の奄美リゾート「ばしゃ山」(奥篤次代表取締役社長)で寄贈式があり、来島した西脇さんが完成したばかりの楽器を贈った。

 京都の創作畳職人の西脇さんは需要減少に危機感を抱き、2010年に畳PRバンドを結成。関西を中心に国内外でバンド活動を展開し、様々なメディアでも取り上げられている。また畳を使った楽器製作も手掛け、これまでギターや三味線、タンバリンなど110種を製作した。

 今回の寄贈は、同町の楠田ファーム代表の楠田哲さんと地縁関係にある店舗関係者を通じ、「ばしゃ山」のゆるキャラ「ケンムン」の楽器製作と寄贈を同リゾート側に提案。快諾したためこの日の贈呈式が実現した。

 奥代表は畳と妖怪のコラボレーションに驚きながらも、「世界に発信できる魅力がある。人と自然をつなぐという共通性から、シマの文化を伝えるきっかけにしたい」と楽器の出来栄えに目を細める。

 店舗スタッフ2人と初来島した西脇さんは昔に比べ、地元が忘れかけているケンムンと畳を重ね合わせながら「これからも愛される存在として、音楽イベントなどPR活動に協力し、奄美との交流を深めたい」と話した。

 同リゾート関係者によると、現在「奄美体験けんむん村」にライブハウスの建設を計画。今年6月の完成を見込んでおり、特製ハーモニカを展示する予定という。