アサギマダラが運んだ1200㌔の縁

アサギマダラが運んだ1200㌔の縁

「おたりアサギマダラの会」メンバーの写真。中央が放蝶した丸山里香さん(提供写真)


お礼に送られてきた雪中キャベツ。雪を手に取り喜ぶ龍郷小の児童4人(提供写真)

長野・小谷村→龍郷町へ
お礼に龍郷小へ雪中キャベツ、雪届く

 「アサギマダラが運んだ1200㌔の縁」―。昨年9月11日に長野県小谷村からマーキングされ放蝶されたアサギマダラが11月1日に龍郷町で再捕獲された。再捕獲した龍郷小学校(児童26人)の橋口俊崇校長が、マーキングを確認してインターネット検索したところ、放蝶したのは小谷村の「おたりアサギマダラの会」に所属する丸山里香さんと判明した。今年1月7日発行の小谷村公民館の「館報おたり」にその話題が取り上げられ、橋口校長と丸山さんがメール交換した双方の文章が掲載された。そして今月、丸山さんからお礼として雪中野菜(キャベツ2個)と雪が龍郷小へ届いた。

 アサギマダラは長距離の旅をすることで知られている。「館報おたり」の見出しは「アサギマダラの浪漫飛行~小谷から奄美大島へ、心の橋渡し~」。記事では「昨年9月、平間のフジバカマの畑にアサギマダラがたくさんやって来た。昨年4月に立ち上がった『おたりアサギマダラの会』の皆さんが、たくさんのマーキングをして放蝶し、結果を待ちました。(中略)驚くべきことに遠くは鹿児島県の奄美大島(龍郷町)と喜界島でそれぞれ1頭ずつ再捕獲された」との内容を紹介。

 丸山さんのメールについては「マーキングを始めて3年目で、今までで1番遠くからの再捕獲情報です。思わず『やった!』と叫びました」「いつの日にか奄美大島で春にマーキングされた蝶を小谷村で再捕獲できたらとてもすてきだと思う」「アサギマダラには人と人をつなぐ力があるところも大きな魅力。奄美大島が私にとって特別な場所になった」との内容が記されている。

 龍郷小では、秋に1~4年生が校外学習に出かけてマーキングを行っている。

 橋口校長によると、お礼に送られてきた雪中キャベツについて児童に説明。児童は発泡スチロールの中に入っていた雪に触れ、手に取り喜んでいた。