三冠王達成を喜ぶ生徒6人と担任の松本教諭(右上)
和装、洋装、食物調理で1級取得
奄高男子で初
公益財団法人全国高等学校家庭科教育振興会が主催する家庭科技術検定で、奄美市名瀬の奄美高校(堀之内尚郎校長)家政科3年の6人がこのほど、被服製作の和装と洋装、食物調理の3種目の1級を取得する「三冠王」を達成した。中でも岩下亮介さんは、同校に記録が残る2002年度以降、男子初の三冠王を達成する快挙。岩下さんは「実感はまだ湧かないが、自分の後輩たちにも三冠王を目指して続いてほしい」と喜んだ。
検定は、高校生の家庭科に関する基礎知識と技術の定着を目的に実施し、試験は年2回。三冠達成には3年間で3種目全て4級から順番に合格しなければならない。
17年度の全国三冠達成者は949人で、うち男子は3人。県内では合格者26人全員が女子で、特に被服製作の試験は、自分の背丈の長さを縫うため、時間の制限上、男子は不利とも言われている。
そんななか岩下さんは、同校入学当初から手先が器用で、同科担任・松本ゆりか教諭に勧められ「期待に応えて頑張ろう」と挑戦を決意。食物調理1級を2年時に取り終えるなど、日々練習に没頭してきた。
時には、後輩を前に朝礼で挑戦を宣言し続けるなど、自身も奮起。受験前は休みを返上し仲間と補習に励むなど、見事三冠を達成した。
被服担当の西美幸教諭は「(男子)後輩の今後にも大きな影響。モチベーションや実績は引き継がれる」と評価。三冠を達成した女子生徒たちも「みんなで支え合うことで、頑張ることができた」と一緒に喜んだ。
医学療法士の専門学校へ進学が決まっている岩下さんは「合格できるとは思っていなかったが、将来この経験を生かしたい」と誇らしげに笑顔を見せた。
同校家政科3年生の三冠王達成者は次の通り(敬称略)。
▽合格者 岩下亮介、小元万穂、保彩花、中野華菜、牧夢芽、森永奈瑞凪